30代からの妊活ブログ不妊治療を知る

30代の働きながらの妊活ブログ。神戸ARTレディスクリニックでの不妊検査済み。今のところは自然に…妊娠できればと

不妊治療費助成はARTのみが対象?ARTとは?

高度生殖医療(ART)とは

2022年4月以降は変わるかもしれませんが、

2021年1月から現在までに施行されている

不妊治療費の助成制度では高度生殖医療(ART)のみが

対象とされています。

それは不妊治療全体を見渡してもARTの治療費が

極端に高かったためでもありますし、また、

ARTを用いた治療のみが「妊娠」を医学的に

コントロールするものとされていたためでもあります。

 

不妊治療の保険適用が開始すると、

治療内容によってはこれまでの3分の1程度の費用に

負担が減るといわれています。

価格の高さからあきらめていたご夫婦にも

新たな選択肢が出てくるわけです。

 

今回は不妊治療の基本情報から1歩進んで、

高度生殖医療(ART)についてレポートします。

なかなか子どもができず悩んでいらっしゃる方は、

『自分が受けるとしたらどうなのか』という視点でご覧ください。

 

日本の「高度生殖医療(ART)」

 

日本政府が認める高度生殖医療(ART)の範囲は

海外とはすこし異なっています。

まずは日本の「高度生殖医療(ART)」の範囲を確認しておきましょう。

 

  • 日本の「高度生殖医療(ART)」

卵子精子を身体のそとに取り出して、

人工的に受精を成立させること、

また、そうしてできた胚を再び女性の体内に移植して

妊娠を成立させること、これらを合わせて

「高度生殖医療(ART)」と呼びます。

1978年に世界で初めて体外受精IVF)と

胚移植(ET)による赤ちゃんが生まれ、

試験管ベビー」と呼ばれ話題になりました。

日本では政府の助成制度が適用される範囲は

配偶者間で行われるARTのみです。

具体的な治療法の名前は「体外受精IVF)」

「顕微授精(ICSI)」のふたつです。

一般不妊治療では卵子精子を1つ1つ管理するほどの

精度はありません。それだけに、

妊娠率は一般不妊治療と高度生殖医療(ART)で

大きく違います。

 

  • 海外ではもう少し選択肢が広い

日本国内では受けられない不妊治療法に、

代理出産」があります。

文字通り、配偶者の一方ではなく、

他人に妊娠してもらい、出産してもらう方法を指します。

妻がどうあっても妊娠できない事情がある場合に

有効な方法です。とはいえ、

世界でもこの手法に対しては疑問の声が多いようです。

精子卵子がそれぞれ配偶者以外のものである場合、

それは果たしてその夫婦の子どもと

言っていいのでしょうか?

海外では「命の危険を冒したくないから」

というだけで第三者に妊娠を依頼する「母」もいるようです。

病気などの理由からやむなく第三者卵子提供や精子提供、

妊娠委託を頼らざるを得ない人々からも、

健康体なのに代理出産を選択することは

弾劾の的となっています。

代理出産は絶望を希望に変える手段になり得ます。

ただ、代理出産の依頼には治療費だけでなく

出産を受託する女性の生活を保証する費用も必要ということ、

また、代理出産を受託する女性の大半が

生活困窮者ということ、

胎児が母体の影響を受けることなども

知っておくべきかと思います。

 

基本的な「生殖補助医療(ART)」の範囲について

本来、「ART」という言葉は

体外受精IVF)」

「顕微授精(ICSI)」

「子宮内胚移植(ET)」

「配偶子卵管内移植(GIFT)」

「配偶子と受精卵の凍結保存」

卵子と受精卵の提供」

代理出産

さらに、

「夫の精子や提供者(ドナー)の精子を用いた人工授精」

も含まれているそうです。

 

つまり、妊娠を補助する治療、

またそれを取り巻く提供者への委託行為など、

妊娠を成立させるために行われるすべてを

網羅する言葉だったのです。

 

「ART」を展開すると

「Assisted Reproductive Technology」、

頭文字だけをとって「ART」です。

 

日本では知らず知らずのうちに情報が

限定されていることがあります。

いまは携帯で検索するだけで分からないことを

調べられる時代です。でも、実はあなたも誰かが決めた

「タブー」によって情報を制限されていたり、

操作されていたりするのかもしれませんよ。

不妊治療の保険適用の内容

不妊治療の保険適用開始迫る!2022年4月に向けて知っておきたい変化の話

不妊に悩むカップル、ご夫婦のみなさま大注目の話題、

不妊治療の保険適用に向けて徐々に明らかになってきた

「気になるポイント」についてレポートしたいと思います。

保険適用開始は2022年4月の予定です。

これまで全額自費診療があたりまえだった不妊治療、

いったいどのように変わるのでしょうか?

 

  • POINT1

不妊治療にまつわるすべての医療行為が保険適用になるわけではない

2022年1月28日の報道で分かったのは、

政府が出した不妊治療の保険適用に関する案を

中央社会保険医療協議会が了承したこと、そして、

保険適用となる医療行為のなかに

着床前診断」が含まれていないことです。

また、年齢制限も定められました。

 

「治療を開始する時点で女性の年齢が43歳未満であること」

保険適用の範囲を拡大して先細りする

日本のカンフル剤にしたい政府の意図を

最大限に尊重した結果と言えるでしょう。

ただし、患者側である私個人は、

着床前診断についてもカバーしたほうがいいのかな、と思います。

 

  • POINT2

不妊治療の保険適用開始で助成制度の内容も変わる

2021年1月から特定不妊治療助成制度の受給要件が

緩和されて内容が手厚くなり、

申請件数がぐんと増えた結果、政府の支出も

予測の2.5倍になったそうです。

事前に組んだ予算が151億円だったのに対して

12月には370億円まで膨れ上がっており、

不妊症に悩む人口の増加を浮き彫りにしました。

とはいえ、現行の特定不妊治療助成制度は

不妊治療の保険適用開始までとなっています。

2022年4月からは助成制度の内容にもまた変更がありますので、

今後は助成金による歳出は減っていく見込みです。

2022年4月以降に特定不妊治療助成制度を利用したいと

希望していらっしゃる方は、変更内容をよく確認して

申請するようになさってください。

 

  • POINT3

保険適用で不妊治療の費用はどれくらい変わる?

治療の内容によっては保険適用開始で

費用が3分の1程度にまで抑えられると言われています。

不妊治療にともなう家計のマイナスは純粋な

支出だけではありません。それでも、

1回あたり30万円以上もかかる医療費の部分が

3分の1になるなら、

「私たちにも不妊治療を受けるチャンスがあるかも」

「諦めていたけど、私たち夫婦も子どもを望めるのかも」

と、不妊治療を現実的に計画できるようになる方々も

いらっしゃるはずです。

 

着床前診断」の取り扱いについては議論が続く

着床前診断は命の選別になるからよくない」

という政府や中央社会保険医療協議会の見解には

いくつもの矛盾があるように感じます。

着床前診断」は着床前に異常の有無を調べる検査です。

着床前診断が「命の選別」というのは、

卵子の段階でそれを命と捉えるという

意味になりますよね。この点に違和感があります。

そもそものはなし、着床前診断を「命の選別」

というならば、科学技術を用いて

治療しなければ子どもができない人口が

増えてきた人類そのものが、地球の歴史のなかから

淘汰される存在なのではないか、

という議論につながりはしないでしょうか?

 

着床前診断の穴埋めになるような方策を検討する、

という声も上がっています。

先進医療の保険適用拡充に向けて、さらに注目していきたいところです。

卵管閉塞でも自然に妊娠できる?

不妊症に悩む方がどんどん増えているいま、

レディスクリニックの掲示板や質問が

HP上に公開されており、いつも参考にしています。

私自身も気になった「卵管閉塞」と診断された

女性からの相談内容に興味をもちました。

 

・質問

両方の卵管が詰まっていると診断されました。

自然妊娠は無理ですか?

・医師の回答

卵管狭窄、卵管周囲癒着、卵管閉塞、卵管水腫などは

不妊の原因としてつねに注目されます。

卵管が狭くなっているだけでも妊娠が阻害されます。

両方の卵管が閉塞していると自然妊娠は不可能です。

卵管閉塞の原因を調べ、卵管形成術とともに

卵管閉塞の原因に対する治療をおすすめいたします。

 

卵管閉塞の原因は「命にかかわる病気」であるケースも!

 

不妊症は大半が原因不明であり、

具体的に何を改善すればいいとは

分からないケースがほとんどです。

日常生活になんの支障もなく、

自己認識としては健康なのにどうしても妊娠しない、

という不妊症が多いわけです。

ところが、卵管閉塞の時、その原因は

命にかかわる病気の場合があります。

 

  • 卵管閉塞の原因

性感染症

性感染症のなかでも特にクラミジア感染症

問題になっています。性交渉を通じて

クラミジア感染症は感染します。

子宮頸部から子宮内腔へ、子宮内腔から卵管へと

感染部位は次第に拡大してしまいます。

卵管にまで感染が広がると、

卵管内細胞の繊毛が破壊されます。

卵管内細胞は卵巣から排出された卵子

子宮内部に送り出す役割を担っていますので、

この段階で卵管要因による不妊症となります。

さらにクラミジア感染症が悪化すると、

今度は各所で炎症が起こり始めます。

これを放置すると、卵管、卵管采、果ては子宮や腸など、

腹腔内の広範囲に炎症が広がり、

癒着の原因になります。これをさらに

治療を受けないまま放置すると、

炎症が留まることを知らずに悪化し、

重篤な病気を引き起こす恐れもあります。

異性と性的な関係を持ったら定期的に

性感染症の検査を受けるようにしましょう。

 

・盲腸(急性虫垂炎

いわゆる盲腸では急激に炎症が起こります。

腹膜炎を併発して卵管閉塞や卵管、

卵巣、子宮、腸を巻き込んで

癒着してしまうなどの後遺症が残ることが

あります。

盲腸の経験者でなかなか妊娠できない方は、

この後遺症の有無をまず確認するべきです。

 

この要素に対しては、子宮卵管造影検査から始まり、

腹腔鏡検査、原因に対するアプローチ、

体外受精、顕微授精などが必要です。

卵管閉塞でも卵巣が無事であれば、

不妊治療によって妊娠は不可能ではなくなるのです。

とはいえ、単純に卵管が詰まっているだけで、

卵管鏡検査だけで自然妊娠できるようになる方も

少なくありません。まずはご自分の状態を

正しく把握すること、そこから始めてみては?

不妊治療の検査(特殊な検査)

体外受精に至る道~女性側の特殊検査

 

不妊治療は検査、治療と、内容がステップアップしていきます。

体外受精や顕微授精は卵子を採取する手術が必要だったり、

実施項目が多く費用が高額だったりと、

どうしても身体的、経済的負担が大きくなります。

医療の提供者からしても、患者にはなるべく

負担をかけたくないという想いがあり、

簡単な検査、侵襲性の低い治療から

徐々に進めていく手法を取っているのだそうです。

最初から「私には体外受精しかない!」と

覚悟してレディスクリニックを受診する

女性はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?

 

余談ですが、私が最初に受診したレディスクリニックで、

「あなたの場合はすぐにでもきちんと効果がある治療をしたほうがいい」

と言われました。

体外受精を勧められたわけですね。

これは年齢や状況から見て正しいアドバイスだったのです。

しかし私自身に知識がなく、認識が甘かったころなので

反発してしまいました。

今ではあの時の医師はむしろ誠実な方だったのだと思っています。

 

先月ご紹介したのは体外受精に至るまでに行う検査のうち、

女性が受ける一般的な検査でした。

https://shinwo.hatenablog.com/entry/2021/12/22/132820

 

今回は、女性が受ける検査のなかで特殊なものを

簡単に解説したいと思います。

 

体外受精に伴う検査はその先にあって、

いわば中間的な位置づけです。

この段階で問題が見つかった場合、その問題を解消するための

治療を行ってから体外受精という流れになります。

 

不妊治療の初期に行う女性側の特殊検査

・子宮鏡検査(ヒステロスコピー)

子宮に内視鏡を挿入して視覚的に

子宮内部を診断する検査です。

私の知っている神戸ARTレディスクリニックの

検査で使用する子宮鏡は端子が3mmという極細なので、

痛みをほとんど感じずにすむのだとか。

外来でも受けられます。

子宮内腔を観察して、形状の異常、子宮内腔癒着、

子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫の有無、

また、筋腫やポリープがあればその大きさなどを

判別できます。

検査で病変が見つかり、内視鏡での切除が可能であれば

そのまま手術にも移行可能です。

 

・腹腔鏡検査

へその下に小さな穴をあけ、腹腔膜のうちがわに

内視鏡を挿入し、内部をテレビモニターに映し出して

観察する検査です。

明らかに不妊症なのに原因が見つからない時、

子宮内膜症が疑われる時、卵管周囲の癒着が

疑われる時に行われます。

必要があればそのまま病変部を剥離、切除などの

手術に移行可能です。チョコレート嚢胞なども摘出できます。

 

・卵管鏡検査と卵管鏡下卵管形成術(FT)

卵管閉塞が疑われる時に行われる内視鏡検査です。

卵管内部に卵管鏡とカテーテルを挿入するので、

この検査によって卵管閉塞が解消し、

妊娠が成立するケースが少なくありません。

 

・糖負荷とインスリンの測定

代謝異常やインスリン抵抗性が

不妊の原因になることが分かっています。

糖負荷とインスリンの値を確認し、

異常があれば肥満や糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群

治療を受けましょう。

 

・自己免疫疾患、血液の凝固異常の検査

流産を繰り返すタイプの不妊症の方は

染色体異常の可能性があります。

ご夫婦いずれかに染色体の構造異常がある場合、

卵子が受精しても着床せず、流産してしまうのです。

神戸ARTレディスクリニックでは採血で行う

「染色体検査」をご夫婦に、顕微授精で移植する胚選別に

「PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)」もしくは

「PGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査)」もしくは

「PGT-M(着床前胚遺伝子検査)」

という検査を実施しているそうです。

 

 

以上、治療前に行う女性側の特殊検査でした。

染色体検査についてはご夫婦で一緒に受けてください!

「自分たちは健康だから遺伝子も問題ないのでは?」

と思うかもしれませんが、ご本人には問題なくても、

次世代に異常が顕在化するタイプの染色体構造異常

というものがあります。

染色体検査は健康な次世代にたすきをつなぐために

必要な検査なのです。流産経験があるご夫婦には

染色体検査の受診を推奨します。

 

子宮鏡検査では通常は閉じている子宮口を開いて

器具を挿入するため、身体に対するリスクが

多少なりとも発生します。

腹腔鏡検査、卵管鏡検査はさらに難しくなります。

信頼できる医療機関、信頼できる医師を選んで受診することが大切です。

不妊治療の費用、不妊治療助成制度

不妊治療費助成制度のおはなし

前回12月にブログを書いてからあっという間に

2022年。

今年の年末年始は私はというと

おせち料理作りでバタバタしていたそんな

年末年始でした。

来年はさらにバージョンアップしたおせち料理

つくりたいと思った今日この頃。

 

さて、今回は年末年始に調べてみた不妊治療のお金の話しを

ここに書いておきたいなと思います。

 

不妊治療の費用は高い!

もはや常識ですよね。

 

医学的に治療の進度などを管理できるのは

体外受精」と「顕微授精」に限られます。

卵子ひとつひとつを検査したり、処置したりする

「顕微授精」は特にひとつひとつの項目が高額です。

 

すこし古い資料なのですが、

年収500万円世帯で不妊治療にいくらかかったのか

調べた結果を参照してみましょう。媒体はインターネットです。

 

・妊活全般にかかった費用の平均:約35万円

・人工授精、体外受精、顕微授精を経験した方の費用平均:約134万円

・高度生殖医療にかかった費用300万円以上:16.1%

・高額な費用が原因で治療開始が遅れた:53.3%

・治療開始が遅れたせいで治療の回数が増えた:35.6%

 

この調査が行われたのは2017年のことでした。

年収500万円で計300万円の医療費

ものすごくおおきな負担です。

個別の声を見ると、この頃からすでに

不妊治療を保険診療にしてほしい」という声が

大きくなっていた様子がわかります。

 

いまは特定不妊治療の保険適用に向けた動きが

本格的になりつつあるようですが、

今30代の方は実施までなんて待っていられませんよね。

私たちにとっては「今」なんです。

「今」しかないんです。

 

というわけで、今受けられる不妊治療費助成制度についてご紹介します。

 

  • 日本政府が実施している「特定不妊治療費助成制度」

・助成の対象:配偶者間で行われる「体外受精」および「顕微授精」

・助成の条件:治療期間の初日に妻の年齢が43歳未満である夫婦

・給付の内容:採卵を伴う治療1回あたり30万円

       凍結胚移植および採卵したが中止したものなど1回あたり10万円

       男性不妊治療を行った場合1回あたり30万円

・助成の回数:1子ごとに6回まで(40歳以上43歳未満は3回まで)

・助成の実施場所:指定医療機関

・実施主体:都道府県、指定都市、中核市

厚生労働省のHP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html

※「体外受精」「顕微授精」をあわせて「特定不妊治療」と呼称

 

「特定不妊治療費助成制度」を利用したらどれくらい費用負担が楽になるの?

 

実際にかかる1回あたりの治療費がいくらなのか、

また、助成制度を利用したらどれくらい費用の負担が軽くなるのか

確認してみたいと思います。

厚生労働省の資料と、馴染みがありいつも参考にしている

神戸市の指定医療機関である神戸ARTレディスクリニックの

価格表を参照します。

 

体外受精の採卵にかかる費用1回あたり:合計17万円

神戸ARTレディスクリニックでは採卵技術費用、

麻酔管理費用、培養技術費用の合計額が17万円で、

これに胚移植に際しての費用6万円、

別途注射、薬、診察、検査の費用がかかると表記されています。

 

・顕微授精(ICSI)の採卵にかかる費用1回あたり:合計22万円

胚移植に際しての費用6万円と、注射、薬、診察、検査の費用を

これに加算します。

参考として着床前に行う卵子への検査は胚1つあたり7万円、

胚盤胞培養に1つあたり3万円かかります。

 

厚生労働省の統計資料から、

実際の合計費用1周期あたりは30万円以上40万円未満が最大多数で、

その前後が次点だと分かります。

1周期の治療だけで150万円以上かかったという

回答者も17人いましたが、20万円から50万円に抑える

ご夫婦がほとんどと見てよさそうです。

ここでまた神戸ARTレディスクリニックの価格表に戻ります。

受精卵の凍結保存に1年あたり1つ6万円、

凍結受精卵の解凍、移植に11万円とあります。

これらを加味して、顕微授精に1周期あたり50万円かかると仮定します。

移動にかかる費用や、自宅でのケアにかかる費用は別とします。

 

・凍結胚移植の場合は給付金10万円なので、差し引き40万円の負担となります。

・その周期で採卵したものを移植した場合は給付金30万円なので、

差し引き20万円の負担となります。

 

いかがですか?

あなたの収入と不妊治療費の支出バランスをイメージできたでしょうか。

高度生殖医療の体外受精、顕微授精以外の妊活であれば、

もっと費用は抑えられます。

その分効果への期待は薄くなりますが、不妊治療は経済状況に合わせて

無理なく計画しなければなりません。

不妊治療にお金をかけすぎてその後の生活が破綻する、

なんて絶対にダメです。

国や地方自治体の助成制度で使えるものは

どんどん使っていきましょう。それでも経済的に

特定不妊治療を受けるのが難しいようなら、

今はそのタイミングではないということです。

2022年、コロナ時代の中の妊活、不妊治療のこと

2022年です!

あけましておめでとうございます。

 

日本では新型コロナウィルス感染症の感染者数が減ってきましたし、

個人的には少しずつ社会全体が動き始めたのかな、

という印象です。

このお正月期間でまた感染者数は増えるかもしれませんが……。

また、物流が滞っていて海外から商材が入ってこなくなったり、

全体的に物品が値上がりしたり、イベントが以前のようには

開催できなかったり、それどころかあいかわらず中止になったりと、

コロナの影響はこれからもなくなることはないでしょう。

不妊治療を受けている方々にとっても

この問題は他人事ではありませんよね。

 

不妊治療で実績があるクリニックは患者が集中します。

待合室からして混みあうのが当然でしたが、

コロナ時代に入ってからはクリニック側も

待合室の運用に感染予防を意識せざるを得なくなりました。

患者とクリニック側スタッフのかかわり方についても同様です。

結果、1日に受診できる患者数が絞られることになり、

『予約を取りにくくなった』と

つぶやく方が増えたというわけです。

 

コロナ時代のなかで妊活・不妊治療に立ちはだかる

新たな困難と、それを乗り越えるコツをまとめてみたいと思います。

よかったらお付き合いください。

 

コロナ時代の妊活・不妊治療

 

  • 新型コロナウィルス感染症の流行拡大によって生じた問題と解決方法

・不要不急の治療は後回し

新型コロナウィルス感染症が世界各国に飛び火して、

日本でもどんどん重症患者の方々が亡くなっていきましたよね。

さらなる感染拡大を防ぐためには外出自粛もやむなし、

という流れで、『不妊症では死なない』

『だったら不妊治療も不要不急』とされてしまったのです。

これ、不妊治療に取り組んでいる人間には

たまったものではありません。

 

→解決方法は?

子どもを産めるタイムリミットがあるからには、

人によっては不妊治療だって「要」で「急」です。

予約を取れるかどうかは医師の判断に左右される部分が大

きいですから、今通っているクリニックで思うように

治療をすすめられない方は、不妊治療を優先的に進める

必要性を認めてくれる医師を探しなおすのも手段のひとつです。

 

今のクリニックで医師とよく話し合って、検討してみてください。

不妊治療は成功保証のない医療分野です。

「私はやれるだけやった」と納得できるようにすることが大切です。

 

妊活、不妊治療を先延ばしにする?いつまで?

コロナ禍が始まって、クリニックなどで不妊治療を

先延ばしにするように言われてしまった方も多いようです。

本人が治療を受けたくてもままならない、どうしても

不妊治療を先延ばしにしなければならない、そんな時の考えかたをご提案します。

→解決方法は?

「いつまで先延ばしにするか」をはっきり決めておくべきです。

女性の身体はいつまでも若いままではいてくれません。

必ず妊娠できるタイムリミットが存在し、

イムリミットに近づけば近づくほど不妊治療の成功率も下がります。

 

不妊治療を再開または開始するまでの過ごし方も

大きなポイントです。栄養バランスを見直したり、

運動習慣を身につけたり、ストレスを溜めないように

生活を改めたりと、できること・やるべきことがたくさんあります。

まずはこれまでの生活を

「間食を含む食事」「時間配分」「運動量」「睡眠時間」

などを書き出して分析してみるのはいかがでしょうか?

改善点を客観的にピックアップできるかと思います。

 

コロナ禍の影響で夫婦の収入が減ってしまった

新型コロナウィルス感染症の流行拡大からつづく緊張で、

日本の経済規模は縮小傾向になってしまいました。

世帯収入も減少傾向で、高額な費用がハードルになっている

不妊治療を断念するご夫婦が続出とのことです。

私自身、仕事の形態が在宅になって、やりにくくなったな~

と感じていたりします。

お給料も少し減りましたし。通勤手当もなくなりましたし。

 

→解決方法は?

不妊治療を保険適用にしようという動きが本格化していますが、

少なくとも私はその実現まで待っていられません。

この場合の対策は限られています。

私からみなさまにご提案できるのは「特定不妊治療費助成制度」くらいです。

不妊治療の経済的負担の軽減を目的とした制度で、

地域によっては国からの支援にくわえて

地方自治体からの補助金も受けられたりします。

補助金のために引っ越しまでしたご夫婦が

話題になったりもしました。

ただし、特に地方では予算に限りがありますので、

申請者が多いと助成金が交付されない可能性も出てきます。

まずはご自分がお住まいの地域では

どんな助成制度があるのか確認してみてください。

 

在宅勤務になったせいで太った、不健康になったと感じている

コロナ時代に入って多くの方が運動不足や

体重増加を訴える声を上げました。

当然ですよね。外出の頻度が下がり、歩く機会が減り、

自宅にこもるようになった結果、消費するエネルギーが減った一方で、

間食などで摂取カロリーが上昇したのですから。

妊娠しやすい身体づくりには不適切な生活と言えます。

 

→解決方法は?

シンプルに、運動不足を自覚しているならば

運動を心がけましょう。意識して身体を動かす時間を持ちましょう。

人が少なく開放的な場所をよく歩くようにしましょう。

ついつい食べてしまうならば間食を我慢したり、

脂肪や糖が少なく食物繊維が豊富な食べ物を選ぶようにしたり、

工夫しましょう。

人間の脳は習慣に順応します。家にこもりがちになれば

外に出たくなくなり、身体を動かす機会が減れば

運動への意欲が減退してしまうものなのです。

非常事態宣言下では「外に出ない」習慣が推奨されましたが、

これからはコロナとの距離感を保ちつつ

外に出ていく時期なのだと思います。

 

いかがでしたか?

 

コロナ時代に立ちはだかる不妊治療の障害には、

ひとりひとりの力ではどうにもならないものが多いように感じます。

社会全体の景気悪化、流通の停滞や、労働形態の変化、

夫婦の収入減少。

特に、収入については頑張れば報われるというものではありません。

ままならないことが本当に多くて嫌になりますよね。

 

誰かと自分を比べるのをやめれば、自分なりの幸せが見えてきます。

2022年がみなさまにとって、

2021年よりもよい1年になることをお祈りいたします。

 

太っていることで妊娠はしにくい?

妊娠にまつわる不安。

産婦人科、婦人科ってなんとなく怖い」

「こんな悩みを相談したら怒られるかも……」

そんな風に思っている方も多いのでしょうか。

 

ネット情報ではありますがレディスクリニックの中で

実際に私自身も気になていること、

今回は、年齢と体重についてをピックアップしてみました。

 

基礎体温はきちんと二相性になっていますが、

私の身長は172㎝、体重100㎏ちょい。

なかなか子どもができないので不安です。

  • 医師の回答

基礎体温が高温相と低温相に分かれているということで、

排卵は正常に起こっていると考えられます。

体重100㎏でも身長が高くていらっしゃるので、

この場合はそれほど大きな問題ではありません。

30歳であればもう少し様子を見ていてもいいでしょう。

あせらず健康的な生活を心がけてください。

適度に夫婦生活を持って、結婚後1年経っても妊娠しないようでしたら、

治療をおすすめいたします。

もし異常に気付いたら、1年経つのを待たずにすぐ病院を受診してください。

 

基礎体温から知る排卵周期

 

基礎体温は朝、活動するまえに測定した体温のことです。

身体を動かすと熱が発生し、基礎体温より高くなってしまいます。

そのため、朝目覚めた直後に、布団の中で測定するのが一般的な方法です。

この基礎体温は、排卵の前には少しだけ低い

「低温相」、排卵の後には「高温相」を示すのが正常とされています。

排卵後には子宮内膜を発育させるべく黄体ホルモンが分泌されるようになり、

その影響で体温がわずかに高い状態が続くからです。

基礎体温が「低温相」と「高温相」に分かれることを「二相性」といいます。

排卵前後で基礎体温の低温相、高温相が切り替わるので、

排卵周期や、翌月の排卵日なども予測できるというわけです。

 

基礎体温が二相性になっていない場合には、

排卵がないか、排卵のタイミングが乱れているなど、なにかしら

トラブルが起こっている可能性があります。

 

体重と妊孕率に関する調査の結果

 

亀田IVFクリニックの論文紹介記事で、

体重と妊孕率に関する調査結果がレポートされていました。

参考はこちら

http://www.kameda-ivf.jp/blog/post_212.html

 

カップルの妊娠前の体格指数(BMI)と

妊娠までの時間(TTP)の関係を知るために行われた

追跡調査の結果だそうです。妊孕率は比較表示で、

男女ともに正常体重の組み合わせを1とします。

 

・女性が正常体重、男性が正常体重のカップルの妊孕率が1.00

・女性が正常体重、男性が低体重のカップルの妊孕率が0.96

・女性が正常体重、男性が過体重のカップルの妊孕率が1.03

・女性が正常体重、男性が肥満のカップルの妊孕率が1.00

 

このゾーンの妊孕率(妊娠する確率)が高く、

上記の組み合わせの女性が低体重、過体重、肥満となると妊孕率が下がります。

意外に思われるかもしれませんが、

最も妊孕率が低い組み合わせは「女性が肥満、男性が低体重」で、

その妊孕率は0.70でした。

 

体重は低体重でも過体重でもよくない、ということが分かります。