30代からの妊活ブログ不妊治療を知る

30代の働きながらの妊活ブログ。神戸ARTレディスクリニックでの不妊検査済み。今のところは自然に…妊娠できればと

体外受精(採卵前の検査とは)

体外受精胚移植法~採卵前に必要な検査

高度先進医療が実現した生殖補助医療の希望の星でもある、

体外受精胚移植法は、ひとの手で妊娠を

コントロールできる一方で、患者様への身体と心、

そして、経済的な負担が大きい治療法ではないでしょうか。

安全性の確保にはきめ細やかな検査が欠かせません。

体外受精の始まり、採卵のために必要な検査について、

今回はご紹介したいと思います。

 

採卵は一般の小手術と同じように

麻酔をかけて行います。

どんな手術でも必ずリスクが伴います。

 

採卵前に必要な検査、一覧とその目的

 

1:血液検査

血液型検査、赤血球数、白血球数、

血小板数、血色素数ヘマトクリット値などを判定します。

目的は貧血の有無の確認、肝機能検査、

そのほかの以上の有無の確認です。

 

2:感染症検査

感染症検査の項目はB型肝炎ウィルス、

C型肝炎ウィルスエイズウィルス(HIV)、梅毒、

淋菌、クラミジアなどです。

陽性判定が出た場合にはその感染症に応じた

治療などの対応が必要になるからです。

 

3:ホルモン検査

ミュラー管ホルモン、FSHとLHの基礎分泌値、

E2値などの項目を確認します。

ホルモン値が正常であれば問題なく卵巣刺激法へと進めます。

 

4:出血凝固機能検査

血が固まらない病気などが存在するので、

出血時間と凝固機能の検査はリスク管理

大きな役割を担っています。

 

5:超音波検査

産婦人科では基礎的な検査項目のひとつで、

卵胞刺激法を開始する前など、折々に行っていく

必要があります。

子宮内膜の厚さ、子宮内膜ポリープの有無、

卵巣の機能性、チョコレート嚢胞や黄体の残存がないか、

機能していない嚢胞が残留していないか、

卵管水腫がないかなどを確認してきます。

 

6:膣細菌症、頸管炎の有無などの検査

膣細菌症は病原性ウィルスを原因としない病気です。

カンジダなどの常在菌が増えすぎて

環境を維持するバランスが崩れ、

おりものが増加したり、おりものの色が

白や黄色に変化したり、おりものから悪臭が

するようになったり、外陰部にかゆみがでたり

といった症状が主です。

善玉菌を増やすことができればこれらの症状は改善します。

膣細菌症が子宮頚管の炎症にまで進行している場合、

そのまま不妊治療を進めるわけにはいきません。

 

7:胚移植の難易度を確認

体外受精に耐えうる卵子を得られても、

男性側の正常な精子を得られないケース、

着床障害があるケースなどもあります。

未受精卵の凍結保存といった技術もありますので、

カウンセリングで治療計画を話し合うように。

 

8:心電図

繰り返しになりますが、手術には必ず身体的な負担があります。

心臓に問題があると麻酔にも大きなリスクが伴い、

採卵後の安全を脅かす要素でもあるので、

「いまさら」などと思わずこなしていく必要がありそうです。

 

体外受精を始める方、始めた方、結果待ちをしている方へ

絶対的不妊と言われる状態の方がいます。

例えば、卵管水腫がひどく、完全に閉塞してしまっている場合。

あるいは、両方の卵管を切除してしまっている場合など。

男性側の造精機能の問題でも自然妊娠が絶望的な場合があります。

 

また、抗精子抗体が認められる免疫性不妊や、

原因不明不妊排卵障害、子宮内膜症による不妊でも、

体外受精は妊娠の可能性を提示してくれます。

しかし、この世界に魔法の杖が存在しないのと同じように、

「絶対」の治療法はありえません。

着床前診断で出産に至る可能性を持つ

胚を選んで子宮内に移植できたとしても、

着床障害があると妊娠が継続できず、

途中で流産となってしまいます。

そしてそれが原因不明であれば根本治療は難しいでしょう。

 

私たち夫婦の場合について少しだけお話します。

私も夫も、自己認識のうえではふたりとも健康体です。

レディスクリニックで受けた検査でも

異常は見つかりませんでした。

しかし、現実に私は流産を繰り返してきましたし、

何度妊娠の兆候が現れても出産には至りませんでした。

夫婦揃ってもう30代中盤です。

老いの実感はまだないとはいっても、

少なくとももう若くはないと自覚はしています。

だから、不妊治療で焦る気持ちも、

検査結果に一喜一憂する気持ちも、

友人知人の出産報告で抱く複雑な気持ちにも、

共感できるつもりです。

だからこそ、みなさまに言いたいことがあります。

 

信頼できる医師を選んで、

不妊治療を受けるとご自分で決めたあなた。

ご夫婦で納得して不妊治療を受けると決めたあなた。

事前に想像していたよりも

不妊治療がつらくてへこたれそうなあなた。

移植手術の後で、妊娠判定が出なかったとしても、

「あなた」は大丈夫です。

あなたは自分を誇っていいのだと私は思います。

次の体外受精を受けるかどうかは関係ありません。

あなたは戦っている、そのことを誇ってほしいのです。

戦わない人々が垂れ流す雑音に惑わされないでください。

あなたとあなたのパートナーの信頼関係を大事にしてください。

幸せの形はひとそれぞれです。

どんな形であれ、あなたが幸せであることを祈ります。

30代、着床前診断が本当に必要なのか?

30代、40代で子どもを産みたい、

自分の赤ちゃんをこの腕に抱きたいと願う方々にとって、

クリニックの存在はクモの糸を垂らす

お釈迦様のような存在ですよね。

言い過ぎでしょうか?

実際にクリニックに寄せられた質問と、医師の回答を

参考にしたりして生活の中にいかしたりしています。

今回気になったお題はこちら。

 

本当に着床前診断が必要か?

  • 30代女性からの質問

体外受精を予定しています。

金銭的余裕があまりないので少しでも治療費を削りたいです。

着床前診断を勧められましたが、もし絶対に必要というわけではないなら

断りたいと思っています。

原因不明不妊での体外受精です。

本音ではホルモン剤の服用にも抵抗があります。

私に着床前診断は必要なのでしょうか?

  • 医師の回答

ホルモン剤を不安視していらっしゃるようですが、

軽い排卵誘発剤で少量ならば副作用の心配はほとんどございません。

体調を見てしっかり担当医とご相談のうえで

ご利用なされば問題ないかと思います。

排卵誘発剤の処方は体外受精のための採卵に

必要な措置です。

採卵はどうしても患者様のお身体に負担をかけますので、

一度の施術で一定の品質の卵子をある程度確保するには

排卵誘発剤の処方が必須になるのです。

また、体外受精で得られた胚を移植しても、

その胚に染色体異常があればその周期の治療は

出産に至らない結果となり、

また、着床から流産に至る期間には

新たな体外受精の治療ができないこと、

流産で子宮がダメージを負い

次の妊娠の障りになる可能性があることなどから、

体外受精の治療回数や治療期間そのものを

抑える努力が欠かせません。

体外受精を最小の費用で結果につなげるためには

着床前診断も重要なのです。

 

着床前診断を受けるべき人とは

特定不妊治療が保険の対象になったとしても

着床前診断はその対象外です。

自費になるので、予算的に受けにくいと思う方も

いらっしゃるでしょう。しかし、きちんと育つ受精卵を

見分けるのは悪いことではありません。

運任せで手当たり次第に受精卵をピックアップして

失敗を続けるなんてナンセンスなのでは?と思ったり。

 

私が思う着床前診断を受けるべき人

・流産歴がある

・遺伝子検査でカップルのどちらかに転座が確認された

体外受精、顕微授精を行ってもこれまで妊娠に至らなかった

・女性の年齢が35歳以上のカップ

 

特にカップルの双方が遺伝子検査で

転座の因子を確認したケースでは、

着床前診断は大きな効果を発揮することになるでしょう。

 

反復流産の原因が遺伝子異常以外の場合はカウンセリング

 

ここまでで着床前診断体外受精の成功率を上げる

という印象を受けたかと思いますが、

着床前診断はあくまで「育ちやすい卵子」を見分ける技術です。

流産の原因が卵子の遺伝子異常のほかにある場合には、

着床前診断による出生率向上は見込めません。

 

私の知る神戸ARTレディスクリニックでは、

着床前診断の前には必ず適切な遺伝カウンセリング

受けるように推奨しているそうです。

それまでの不妊治療の経過や流産歴などの情報をもとに、

あなたにとって着床前診断がどれくらい有効なのか確認してから、

着床前診断を受けるかどうか判断することが大切なのではないかなと思います。

40歳からの不妊治療、ミトコンドリアを増やす努力

40歳からの不妊治療

 

40歳から始める不妊治療について言及する前に、

年齢が妊娠に与える影響について再確認しておきたいと思います。

 

海外から日本が「成功しない不妊治療大国」という

不名誉なレッテルを貼られているひとつの要因が、

不妊治療を始める年齢の高さだそうです。

まず参考データとして日本生殖医学会から、年齢層別不妊症の頻度を引用します。

 

  • 年齢層別不妊症の頻度(女性)

・25歳~29歳:8.9%

・30歳~34歳:14.6%

・35歳~39歳:21.9%

・40歳~44歳:28.9%

 

45歳から49歳になると、妊孕力は40歳から44歳階層の

さらに半分以下に急落します。

不妊症というより、妊娠適齢期の境界線を越えた

という表現が適当になるかと思います。

 

私は自分自身が不妊治療の情報を集めるようになって、

ある人からお話を聞く機会をいただきました。

 

その方は30代中盤まで仕事にまい進し、

36歳で結婚、転職、不妊治療の費用を

1年半かけて貯蓄に上乗せ。

38歳で不妊治療を始め、妊娠できないまま40歳に、

そして、早期閉経を迎えて不妊治療を断念せざるを得なくなり、

鬱病になったそうです。

 

このようなお話を聞いたこともあって

今回の本題、40歳から始める不妊治療について

考えていきたいと思います。

 

40歳女性の不妊治療は時間との闘い

 

女性は35歳以降、卵巣の力が急激に衰えていきます。

40歳以降の不妊治療は文字通り時間との闘いになります。

もしあなたが「戦おう!」と決意したならば、

もはや一刻の猶予もありません。

それでも、あなたの月経周期が安定していて、

基礎体温も二相性で排卵している様相が見られるならば、

不妊治療は確かな希望の光となるでしょう。

 

私の知る神戸ARTレディスクリニックの資料によると、

神戸ARTレディスクリニックで実施した

体外受精、顕微授精では、35歳以下、

35歳から37歳、38歳から40歳、

41歳から42歳、42歳以上と、

患者の年齢階層を細かく区分けした治療成績において、

全ての階層で着床率70%強、流産率約10%となっています。

 

女性の年齢が高くなると遺伝子異常の卵子が増えますから、

女性の年齢40歳以上で無選別の体外受精では

これほどの成績は考えられないことです。

最新の機器を揃え、着床前診断やレーザーアシステッドハッチング

といった補助的な技術を取り入れている

神戸ARTレディスクリニックならではと言えるのかもしれませんが。

 

神戸ARTレディスクリニックの着床前診断

次世代シーケンサー(NGS)法による着床前です。

特殊な機器で迅速に染色体の数を検査し、

移植に適した胚を見分けます。

無選別の体外受精では、40歳以上の患者様の場合、

染色体異常の胚を移植してしまう可能性がどうしても高くなり、

治療を無理に推し進めたとしても流産回数が増え、

妊娠できる時間の浪費に終わる恐れがあります。

 

不妊治療と同時に取り組むべき「妊娠のための」工夫

40歳を越えて不妊治療を始めようとしている女性、

すでに取り組んでいる女性は、助成制度の利用や

治療計画はすでに行っているはずです。

基礎体温表をつけたり、排卵周期に合わせてホルモン剤

使用したりといったことも、もうわかっていますよね。

なので、ここではそれ以外の部分について

お話しておきたいと思います。

40歳以降の不妊治療がなぜ時間との闘いなのかは

これまでお話した通りです。

妊孕力が急激に失われていく一方、

体外受精を実施できる回数は1ヶ月に1回のみ、

移植に適した胚を得られなければ

その1回が唯一のチャンスになるかもしれません。

それどころか、その1回のチャンスすら得られないかも……。

 

不妊治療を受けるに際して経済的な不安がないのであれば、

このタイムリミットを少しでも遠ざける

工夫をすべきです。

卵巣の老化はミトコンドリアの減衰によって起こる

という説があることをご存知でしょうか?

 

ミトコンドリアは細胞内にある極小の器官で、

身体が働くために必要なエネルギーの

製造工場のようなものです。

 

このミトコンドリアを増やす食事と運動を

心がけるのも1つの手なのかもしれません。

 

ミトコンドリアを増やす食事とは

タウリンを含む食材と、ビタミンB群、

鉄分をしっかり補給できる食事を心がけることです。

タウリンにはミトコンドリアを増やす働きが、

ビタミンB群と鉄分には、ミトコンドリア

エネルギーを生産するのを助ける働きがあるといいます。

 

ミトコンドリアを増やす運動とは

有酸素運動がおすすめです。

健康を増進する運動習慣を推奨している厚生労働省では

ウォーキングが最も健康づくりに適しているとしていて、

アンチエイジング業界でもどのように歩けば

最大の効果を得られるかに議論が集中しています。

近年ではゆっくりした歩みと早歩きを交互に繰り返す

「インターバル速歩」という歩行法が指示を集めています。

1日30分以上が目安です。

なかなか不妊治療がうまくいかない運動不足の方は、

ぜひお早めに取り入れるようになさってみては?

 

「私はやり切った」

「できることをすべてやった」

「頑張った!」

そう思えることが大事でと思っています。

コロナや戦争による不妊治療の影響は…

2022年2月24日、ロシアはウクライナへの

軍事侵攻を開始しました。

あれから1ヶ月あまり、市街地には犠牲となった

市民の死体が無造作に転がり、葬られることさえなく、

いまだに続く攻撃にさらされ続けているといいます。

 

日本がこの戦争に無関係だと思う方、いらっしゃるでしょうか?

 

特に、不妊治療を受けていらっしゃる方、

この戦争があなたの日常にどんな影響をおよぼす可能性があるか、

想像できるでしょうか?

世界情勢のなりゆき次第で、日本の医療現場は

大きなダメージを負う可能性があります。

当然、高度生殖補助医療(ART)、つまり不妊治療の提供体制も同様です。

 

医療現場にふりかかる戦争の影響

新型コロナウィルス感染症の流行が始まってから、

不妊治療の計画に狂いが生じたというケースが

徐々に増えていきましたよね。

人々の命を直接脅かす新型コロナウィルスの脅威に対して、

不妊治療は患者自身の命にかかわらない

「不要不急」と処理されてしまったからです。

この新型コロナウィルス感染症のワクチンは、

日本ではアメリカとイギリスから輸入しています。

 

次に、先進医療は専用の医療機器を必要とするケースが多く、

その専用の医療機器は治療法の

開発国による取り扱いがほとんどです。

実際、私の知っている神戸ARTレディスクリニックで

体外受精の際に用いられる「顕微鏡付インキュベーター」という設備は

オーストラリア産だそうです。

そのほか、顕微鏡下で受精させた受精卵の培養に必要な

「培養器」や「培養液」も海外産で、

なおかつ「培養器」などは患者一人に対して一台必要という

輸入頻度になっています。

これら輸入品の価格は、戦争の当事国と

日本の関係性に関わらずどんどん値上がりしていくでしょう。

というのも、大規模な戦争が起これば

石油が必ず値上がりするからです。

産油国としては値下げする理由がないわけですから、

今後の石油価格のさらなる上昇は

間違いないと考えられます。

 

日本では体外受精(顕微授精)の保険適用化が

はじまろうとしていますよね。

 

しかし、治療にかかる設備や機器の原価が高くなれば、

治療費も高くなります。

国庫が吸収しきれないほど保険費の支出が

大きくなったとしたら、患者負担の割合を

見直す事態になる可能性もあるでしょう。

 

さらに、北方領土問題という火種を抱えた

日本とロシアのあいだに直接的な紛争が起こった場合も

考えておく必要があるかと思います。考えたくもないですけれども。

日本とロシアは海をはさんだ隣の国です。

異なる社会制度を敷いた、近くて遠い隣人なのです。

 

ニュースの聞き方について注意すべきこと

ウクライナ情勢は日々深刻化の一途をたどっています。

日本国内で耳にするニュースは、

昨日「ロシアの侵攻が続いています」と言ったかと思えば、

翌日には「停戦協議が行われる見通しです」と言い、

次の日には「停戦協議は難航しています」

「ロシア国内ではプロパガンダが行われている模様」

と言ったり、さらに次の日には破壊された市街地や、

避難した市民にクローズアップしてみたりと、

“視聴者を引き付ける”手法で

繰り出されているように思います。

 

日本人は“戦争を知らない”世代が中心世代となり、

教育改革の名のもとに、子どもたちが学ぶ教科書からは

反戦の柱になる文字が少しずつ少しずつ、

いつの間にか削り取られてきました。

 

ニュースは必ず発信者の意思が介在しているということです。

 

悪いニュースを聞くと不安な気持ちになりますよね?

その後に希望を持たせるニュースを聞けば、期待を抱きます。

その翌日に期待を裏切るニュースが流れれば、

不安はよりいっそう大きくなります。

現在、日本で行われているテレビ報道は

そうした様相を見せています。

これは、”市民“の心を揺さぶるひとつの手法です。

不安と希望のあいだでの振れ幅が大きくなると

心の隙が生まれます。そうなると、

分かりやすく導いてくれる人が現れた時に

影響を受けやすくなるのです。

……つまり、日本でも一種のプロパガンダ

行われている証拠と言えるのではないでしょうか。

 

ロシアによるウクライナ侵攻で真っ先に犠牲になったのは誰でしたか?

子どもたちが通う学校、子どもが生まれる病院、

それらの施設が爆撃されたのは、最も効果的な攻撃だからです。

偶然などではありえません。

不妊治療は平和のうえに成り立つ医療です。

 

いま私たちに何ができるのか。

未来のためにあなたができることは何なのか。

何を見て、何を信じて、誰に向かってその考えを主張するべきなのか。

多角的な視点を持つようにしたいなと私は思います。

ダイエットによる排卵障害?その後の不妊治療

私自身、少女だったころはレディスクリニックを

敬遠していました。

大人になってからも近寄りがたいと思っていましたし、

下手な質問をしたらバカにされそうだなんて思っていました。

でも、実際にレディスクリニックを受診してみたら全く違いました!

『もっと頼っていいよ!』

『心配ごとがあったら何でも質問していいよ!』

そんな風に暖かく対応してくれた、最初の診察の時。

これまで申し訳ないことをしていたな、と思ったものです。

レディスクリニックをもっとたくさんの女性に知ってほしい、

身近に感じてほしい!という思いもあるのですが

実際に共感できる悩みの疑問と

医師の回答について考えたいと思います。

 

ダイエットで排卵障害?

  • 女性からの質問

高校、大学と長期間ダイエットしていたのですが、

その間何度も生理が止まりました。

産婦人科でホルモン注射を受けると生理が復活していたものの、

今でも生理不順、基礎体温のばらつきが続いています。

結婚してからもう2年以上たちました。

自然な排卵がなく、排卵促進剤の注射で排卵をおこしつつ

性交していますが全く妊娠できません。

  • 医師の回答

過度なダイエットは非常に危険です。

ダイエットによる排卵障害は視床下部

障害が起こっている証拠であり、こういった症例では

排卵誘発がうまくいかないケースが多いようです。

また、排卵誘発剤を使用した治療を続けているのに妊娠しないということで、

次の検査や治療にステップアップすることを検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

排卵誘発剤もステップアップする

 

排卵誘発剤を用いたタイミング法は一般的な不妊治療のひとつです。

ただし、今回ピックアップしたご相談者様の場合は、

学生時代から注射するタイプのホルモン剤を使用してきたとのことで、

ここには違和感をいだきました。

排卵誘発剤にもランクのようなものがあって、

必要に応じてステップアップします。

クロミッドという経口タイプの排卵誘発剤を使うのが普通で、

この飲むタイプのお薬で効果が得られなければ、

HMG-HCG療法という、注射タイプの排卵誘発剤を使用する治療

ステップアップします。

注射タイプの排卵誘発剤は経口タイプの排卵誘発剤よりも

効果が高く、強い治療法です。ではなぜ最初から

注射タイプの薬を使わないのかというと、副作用の問題があるからです。

私は手元に神戸ARTレディスクリニックの医師、

大谷先生が刊行した書籍を参考資料として置いていますが、

その中に、「何回かHMG-HCG療法を行って妊娠しなければ

卵管造影などの他の検査を受けたほうがいい

という記述があります。

HMG-HCG注射の効果が高いぶん、リスクが高いからです。

10代から断続的に、そして結婚してからは2年間もホルモン注射を続けてきた今回のご相談者様は、実はすでに多嚢胞性卵巣や

卵巣過剰刺激症候群といった卵巣の

トラブルを併発している可能性が高いのではないでしょうか?

 

■病院があなたに合っていないかもしれない

■担当してくれている医師があなたに合っていないかもしれない

■これまでの治療があなたに合っていないなら転院も選択肢のひとつ

 

不妊治療で実績があるレディスクリニックにも

それぞれの方針があり、医師それぞれに信念や、

治療法の選び方、患者との向き合い方があります。

長期間お世話になっている病院との縁は大事にしたい、

という考え方もあるかと思いますが、

それで問題が解決せず、深刻化するなら、転院も選択肢のひとつです。

別の角度からあなたの状況を確かめれば、

本当に必要な治療が見えてくるはずです。

 

次回はダイエットによる視床下部の障害と排卵障害の解説と、

できればその治療までご紹介したいです。

よろしければまたお付き合いください。

体外受精の適用、スケジュールを学ぶ。

体外受精不妊治療のなかで

最も効果が高い生殖補助医療(ART)として希望を託されています。

ただ難しい治療であり、特に女性の身体には

大きな負担がかかるようですよね。

費用の問題もあり、体外受精の適用は

事前の話し合いが必須だと感じます。

今回は、体外受精の基本!を書いておこうと思います。

 

体外受精は女性の身体から成熟した卵子を取り出し、

人工的に受精させて胚盤胞まで育ててから、

改めて子宮のなかに戻して着床させる治療です。

 

胚盤胞まで育てられた受精卵は着床率が高くなります。

また、その過程で妊娠しやすい、

力がある受精卵が選択されているので、

出産に至る可能性も最大限に高められます。

 

私の知る神戸ARTレディスクリニックでは

次世代シーケンサー(NGS)法による着床前診断

着床率を上げ、同時に流産率を下げています。

 

次世代シーケンサー(NGS):何百万ものDNA、RNA

塩基配列情報を読み取る装置の次世代型を示す名前であり、

神戸ARTレディスクリニックでは

着床前診断の方式を区別するために使われています。

4種類すべての染色体を総当たりで調べられるので、

次世代シーケンサー(NGS)法による着床前診断で、

神戸ARTレディスクリニックでは

受精卵1個あたりの着床率を70%にまで上昇させ、

また、流産率を約10%にまで下げることに成功したそうです。

体外受精不妊治療の希望の星です。

卵管を切除してしまったかた、卵管が完全に閉塞してしまっているかた、

長期間にわたって人工授精を受けているのに

成果が出ないかた、自然な排卵が確認できないかた、

免疫の問題で自然妊娠が難しいかた、

原因は不明ながら1年以上自然に妊娠しないご夫婦、

さらに、夫側の精子に問題があって自然妊娠が

絶望的なご夫婦に体外受精は効果的だと言われています。

 

例えば、女性側の問題として、子宮内膜症の場合、

子宮内膜症の治療としてホルモン療法や腹腔鏡下手術、

開腹手術などが適応となります。

これらの治療を経ても自然妊娠しないようであれば、

そこからは原因不明不妊として体外受精の適用が

望ましいというわけです。

 

体外受精を目指そう!

と決定した1日目から実際の治療に至るまでの

具体的なスケジュールがこちらです。

 

ステップ1:基礎体温測定、精液検査や卵管疎通性検査

といった基礎的な検査は、タイミング法を実施しつつの

進行になります。

卵管疎通性検査のタイミングなどもありますので

この段階で3か月から6ヶ月かかります。

 

ステップ2:人工授精の期間が4周期から6周期ほど。

この期間で排卵障害、黄体機能不全、造精機能障害、

原因不明不妊などをふるいにかけます。

 

ステップ3:腹腔鏡検査と手術の段階です。

子宮内膜症、卵管性不妊子宮筋腫、卵巣膿瘍などが

不妊の原因であればこの段階で治療し、

問題の解消を目指します。この期間はひとによってまちまちです。

 

ステップ4:いずれの治療も不妊の原因を取り除けなかった時、

体外受精の適応となります。顕微授精を推奨します。

 

医師が「あなた」に体外受精を進めるのは、

体外受精が適当と思われた時です。

しかし、体外受精不妊治療の最終的な選択です。

経済的にも、身体的にも、精神的にも負担が大きな治療なので、

よくよく考えてください。

夫のこれまでをしっかり思い返してみようと思います。

これまでに十分な検査と治療を受けてきたか?

夫は不妊症の検査と治療に協力的か?

自分と同じくらい、夫も真剣に取り組んできたか?

体外受精の妊娠率は納得できるレベルか?

総合的な費用がいくらになるか計算したか?

治療を受ける施設の実績は確認したか?

体外受精を勧められた時にきちんと説明を受けたか?

設備について調べたか?

 

子どもを迎えることを、夫婦が同じように強く希望しているのか?

心身ともに妊娠・分娩・育児に耐えうる状態にあるか?

30代の妊活、不妊治療へのステップアップ事例

妊娠しやすさを「妊孕性(にんようせい)」と

いいますよね。

妊娠する可能性を「妊孕率(にんようりつ)」と言って、

これが年齢を重ねるほど下がることが分かっています。

高齢出産が問題視されたり、

公的な不妊治療助成制度に女性の年齢上限が

定められたりしている理由です。

 

女性の年齢が30歳を過ぎると妊孕率は低下しはじめ

そして、35歳を過ぎたらその勢いは

ジェットコースターのごとしです。

 

もしもあなたが30歳を目前にしているか、

30歳になっていて、これから子どもをお迎えしたいと

考えているようであれば、不妊治療をおすすめします。

不妊治療は特定の原因があって妊娠しにくい方以外にも

適応する「妊娠を後押しする治療」の総称です。

 

いくつかのモデルケースを見つけたので

ここでご紹介します。

どのようなステップで進めることになるのか、

どんな準備をしておけばスムーズに進むのか、

ご参考になさってください。

 

  • 夫婦ともに健康な30歳のケース

夫婦ともに染色体異常がなく、

夫の精液検査の所見が正常、

妻の一般不妊症検査の結果に問題がない、

また、妻の年齢が30歳であるなら

半年から1年程度は自然妊娠を期待して

タイミング法を試してもいいでしょう。

排卵周期に合わせて夫婦生活をもち、

自然妊娠できなかった場合には特殊検査、

人工授精もしくは体外受精の適用となります。

一般不妊検査には卵管の疎通性を高める副効果があるものも

含まれますので、治療するまでもなく

妊娠に至るケースは少なくありません。

まずは2ヶ月程度基礎体温表を作って、

クリニックの予約を入れ、当日はそのまま尿検査や

血液検査ができるように食事の間隔をあけておいて

受診するといいでしょう。

 

  • 流産歴のあるご夫婦

→30代前半のケース

流産歴がある場合、妊娠しにくい原因があると想定するべきです。

ご夫婦の遺伝子検査が必要です。

遺伝子検査で問題がなければ

一般不妊検査からの人工授精、体外受精へのステップアップを

最短で計画するといいでしょう。

35歳以降は妊孕率が急激に下がります。

30代前半はカウントダウンに突入しているので、

ステップアップにも時間はかけられません。

遺伝子検査で問題が見つかった場合は

高度生殖医療の適用となります。

体外受精と顕微授精の2択です。

また、得られた受精卵の移植に際しては

着床前診断も利用することをおすすめします。

費用がご心配な方は、お住まいの地域の不妊治療助成制度や、

2022年4月から始まる保険適用の範囲について

確認なさるといいでしょう。

 

→30代後半のケース

公的な不妊治療助成制度や保険適用の年齢上限が

引き上げられましたが、女性が妊娠できる年齢には限界があります。

女性が44歳になると顕微授精を行っても絶望的、

40歳以降の自然妊娠はほとんど不可能、

これが現実なのです。

30代後半のご夫婦の場合、お二人とも健康であっても、

時間的なゆとりはもうほとんどない

ということをご理解ください。

最初から高度生殖補助医療の適用となります。

産婦人科を受診する前にご夫婦で

不妊治療について話し合っておくようにしましょう。

 

子どもができなかった場合の「将来」も決めておこう

 

30歳のあなたはまだ希望の光に包まれているかもしれません。

愛する夫と、命がけで産んだ可愛い子どもに

かこまれた未来が見えているかもしれません。

31歳、32歳、33歳のあなたは、

『まだ大丈夫』『まだ希望はある』と思っているかもしれません。

34歳、35歳のあなたは、

『なんとかしなきゃ』と焦っているのでは?

 

36歳、37歳、あなたは『もしかしたら』『まだ頑張りたい』

『きっとなんとかなるはず』気持ちが揺らぐことが

増えていることでしょう。

 

38歳、39歳、公的助成制度の年齢上限に近づき、

ふっと物思いにふける瞬間が出てきたりして……。

 

望み通りに子どもを迎えられるひとばかりではありません。

不妊治療にも「絶対」はないのですから。

子どもができなかった場合の「将来」も、

ご夫婦でよく話し合っておくことをおすすめいたします。