30代からの妊活ブログ不妊治療を知る

30代の働きながらの妊活ブログ。神戸ARTレディスクリニックでの不妊検査済み。今のところは自然に…妊娠できればと

着床前診断は保険適用外になるらしい

保険適用外になるらしい「着床前診断」の基本情報

 

ウクライナ情勢が気になる今日この頃、

平和とはなんて儚いものなのでしょうか。

まるで晩春の桜のように、

日本から遠く離れた空の下で「平和」がいままさに

散ろうとしています。

打ち砕かれようとしています。

この花がいつまでも咲き続けますように。心より祈っています。

 

冒頭から余談でした。

米大統領がタブーとも言えるキーワード

第三次世界大戦」を口にしました。

戦争状態になると不妊治療どころではないので

全く無縁とも言い切れませんが、

今回の本題は「着床前診断」なので……余談でした。失礼しました。

ここから本題です!

 

不妊治療の保険適用化まであと1ヶ月、

カウントダウンですね!

以前お話したように、着床前診断については

保険適用外になるとのことですが、

これがどのような検査なのか、

どんな方に必要なのか、

いくらくらい費用がかかるのか

といった基本的な情報をお伝えしたいと思います。

 

『もしかしたら私にも必要な検査なのかも』

『私と夫も遺伝子検査を受けたほうがいいのかも』

 

という発想を持っていただく

きっかけになりましたら幸いです。

 

着床前診断」ってどんな検査?

 

着床前診断」は受精卵に対して

行う染色体検査です。

アメリカでは「着床前検査」という呼び方が

一般的なのだとか。検査の方式は3種類あり、

それぞれ目的が異なります。

 

  • PGT-A(着床前胚染色体数性検査)

受精卵の染色体すべてが対象になるタイプの

着床前診断です。

受精卵の全染色体の数を調べて異常がないか確認します。

染色体の数が以上であれば

流産しやすい受精卵ということがわかるので、

1回の不妊治療あたりの妊娠率を底上げできるというわけです。

 

  • PGT-SR

両親の側に染色体転座など遺伝子の

構造異常がある場合、流産しやすい体質として現れます。

ご本人は健康であっても、

次世代の子供が重篤な遺伝性疾患を

発症する恐れがあります。

そうした時に必要なのが「PGT-SR」

というタイプの着床前診断です。

受精卵の染色体に構造異常があるかどうかを

調べて胚移植の成功率を上げます。

 

  • PGT-M

遺伝性疾患を持つご夫婦が対象になるタイプの

着床前診断です。

遺伝性疾患は残念ながら親から子に

受け継がれてしまいます。

しかし、全ての受精卵がかならず

同じ病を発症するとは限りません。

染色体を調べて遺伝性疾患の形質を

持っているかどうかを確認して、

どの胚を移植するかを決定します。

流産率を抑え、肺移植当たりの成功率を上げ、

なおかつ生まれる子供の将来的な病気のおそれを

最小限にとどめるための検査です。

 

着床前診断」を受けられる病院、クリニック

 

着床前診断」は日本産科婦人科学会の認可を

受けた施設でのみ受けられます。

私の知る神戸ARTレディスクリニックでは

「PGT-A」と「PGT-SR」のみ実施しているそうです。

「PGT-M」をご希望の方はご自身の病気治療で

かかっている病院に相談してみるといいでしょう。

着床前診断」の注意点がございます。

まず、「PGT-SR」の場合、「PGT-A」より

検査対象の胚が多くなるので費用が高くなること、

この検査を行っても、移植に適したレベルの胚が

得られない可能性があること、

この検査自体に受精卵の品質を低下させる

おそれがあることです。

受精卵から組織を採取して染色体を調べるわけですから、

検体をとる時に多少なりともダメージが生じます。

デメリットへの対策として、信頼できる医師、

実績ある病院、クリニック、研究施設を選ぶようにしたいものです。

排卵障害は妊娠しにくい?排卵障害の検査

日本は生殖医療後進国だと感じます。

その理由は、世界的に見て

娠に関する教育が不十分なこと、

不妊治療の開始年齢が高いことが挙げられます。

 

レディスクリニック縁遠いと感じていらっしゃる方も

少ないくないようですね。

 

私自身、レディスクリニックには

いち早く行った人間ではありますが

レディスクリニックを早いうちに

受診していれば不妊症にならなかったという女性も

身近にいます。

不妊症の知識を若いうちに得ていれば

いまごろ家族に囲まれていたかもしれないという男性。

後悔の声は、これから先を生きるみなさまのために

先達が掲げた灯台のようなもの。

 

実際にレディスクリニックに寄せられた質問と、

医師の回答を元に今回は考えていきたいと思います。

 

レディスクリニックは身近な存在であり

もっと気軽に相談していい、頼っていいのだと

知っていただくきっかけになれば

私も嬉しく思います。

 

排卵障害、自然妊娠は?

 

  • 26歳女性からの質問

結婚を前に検査を受けたところ、排卵障害と言われました。

自分では健康だと思っていたからショックです。

自然妊娠は無理ですか?

  • 医師の回答

排卵障害にもいくつものパターンが考えられ

卵胞が成長しても排卵されないケース、

卵胞が成長しないケースなどさまざまです。

排卵障害でも原因に対する治療で

正常に排卵されるようになれば、

自然妊娠も期待できるでしょう。

まずはなぜ排卵が起こらないのか調べる必要がございます。

 

卵子の成長が確認できない場合、

毎日HMGという注射を打って卵胞の成長を促します。

卵胞の成長は経腟超音波検査で確認できます。

卵胞が成長したら、今度はHCG注射で排卵を促します。

卵胞の生育障害に対して有効な治療法です。

副作用が心配な方はご相談ください。

 

HMG-HCG療法の副作用

 

ホルモン剤を注射するだけでいい

HMG-HCG療法は一定の成果を上げてきた治療法です。

しかし、多胎妊娠や卵巣の腫れなど、副作用の問題も指摘されています。

 

不妊治療は妊娠を目的とした医療行為であって、

健康を目指す一般医療とは事情が異なるのです。

不妊治療で第二子妊娠まで思い描く方には、

多胎妊娠も卵巣か条刺激症候群も

リスクが大きくなります。

これを避けるには、排卵障害と診断された時に

いきなりホルモン療法を受けるのではなく、

さらに検査を受けて排卵障害の原因を特定するといいでしょう。

 

排卵障害の原因特定に有効な検査は?

これを知らべてみると私の知る神戸ARTレディスクリニックでは

排卵障害の原因は、

視床下部の異常、脳下垂体の異常、卵巣の異常、

黄体機能不全、高プロラクチン血症、黄体果皮破裂卵胞、

甲状腺機能異常などです。

 

排卵障害が確認できた段階で、

基礎体温測定、ホルモン検査、尿検査、

超音波検査などの基礎的な項目はこなしているはずなので、

その次の検査を二つ簡単に解説します。

 

  • 卵管造影検査

造影剤を注入して子宮や卵管の内側に

構造的問題がないか可視化する検査です。

卵管閉塞や狭窄、腫脹、子宮の奇形などを診断できます。

 

造影剤は卵管の端から腹腔内に流入するので、

この検査からはある程度のリスクが生じます。

残念なことに、未熟な医師による医療事故が

報道された事例もありました。

信頼できる医療機関、信頼できる医師を

選んで受診するようになさってください。

卵管閉塞についてはこの検査が

治療の役目も果たすことが多いようです。

 

  • 子宮鏡検査と腹腔鏡検査

内視鏡を使用する検査なので、

同時に受けると効率的です。

子宮鏡検査は膣を経由して

子宮に細い内視鏡カメラを挿入し、

子宮内部を視診します。

腹腔鏡検査は下腹部を小さく切開し、

やはり内視鏡カメラを挿入して

卵巣、卵管、子宮などを外がわから観察する検査です。

腹膜との癒着などを診断でき、

場合によってはそのまま治療もできます。

 

このレポートの参考にしたのは

政府の指定医療機関でもある神戸ARTレディスクリニックのHPなどの資料です。

なぜ神戸ARTレディスクリニックを取り上げたのか、

ですが、このクリニックでは患者の満足度を調査したり、

改善のための意見を募ったりという、患者第一の姿勢が魅力だからです。

不妊治療を受けるなら

神戸ARTレディスクリニックに行こうという

意味ではありませんよ。

ただ、不妊治療は間違うと取り返しのつかない

副作用を引き起こすこともあります。

患者の意思に寄り添い、尊重してくれるクリニックの態勢、

医師の姿勢が、不妊治療には大きな助けになるからです。

このようなクリニックがあるということ、

いろんな医師がいて、いろんな意見があること、

そして、患者を尊重してくれる医師は、

どんな簡単な質問でもバカにしたりせず、

親切に答えてくれるし、

それを迷惑に思ったりしないのだということを、

ぜひ覚えておいてください。

 

 

不妊症に悩むとき、自分の人生や存在価値に疑問を持った時、

あなたも孤独を感じるかもしれません。

だけど、どこかに必ず味方がいます。

私の声が聞こえますか?

「あなた」は独りじゃない。

 

神戸ARTレディスクリニックを参考に男性の不妊の検査

体外受精に至る道~男性側の検査と治療

 

不妊治療で医学的に妊娠をコントロールしていると

言えるのは「体外受精IVF)」と「顕微授精(ICSI)」だけです。

とはいえ、卵子精子を取り出して体外で受精させ、

成長を始めた胚を移植して妊娠を成立させる

この治療は、心身の負担ももちろん、

経済的な負担もかなりのものになります。また、

不妊の原因を調べ、どの治療が適正か確認するのにも

時間がかかります。

 

そして、なぜ妊娠できないのか知る必要があります。

今回は男性側の検査と治療について大まかな流れでご紹介します。

 

男性が受ける不妊症の検査と治療

 

不妊症ぜんたいのうち40から50%が男性側の要因

だと言われています。

不妊治療ではたとえ男性側の要因だとしても、

治療の主体は女性になります。

妊娠するのは女性ですから。男性側の検査で

男性本人が行うのは精液の採取くらいです。

その後はクリニック側の出番で、

精液を用いていくつかの検査を行います。

 

・精液量(少ないと自然妊娠が難しくなります)

・精液のph値(アルカリ性、酸性に偏っていないか)

精子濃度(精液中に含まれる精子の量)

・総精子数(サンプルとして取り出した精液中の精子数から総数を推計)

・総運動率(精液中にどれくらい正常に運動している精子が存在するか)

・前進運動率(精子がきちんと前進運動していないと自然妊娠が難しいため)

精子生存率

・白血球

 

これで精液が世界保健機構(WHO)の定める

基準に達していれば「最低限の力は認められる」

ということで、次の段階に進みます。

今度は精子の生存能力、受精能力を確認します。

 

・アクロビーズテスト

精子の生存率を調べる試験と似ています。

特殊なビーズを用いて生体反応を示す精子の量

確認する作業になります。

試験結果を表す数値をアクロビーズ値といい、

この値が低いと受精障害を示す兆候です。

 

精子膨化試験(HOST)

精子の膜機能が正常かどうかを調べる試験です。

このテストでは精子運動率がゼロでも

生存している精子を見分けることができ、

HOST試験で生存精子を見つけられればARTに運用できます。

 

精子生存試験

採取した精子を倍そうして精子

生存能力を確認します。

36時間陽性ならば自然妊娠可能、

36時間陰性ならば人工授精や体外受精の適用となります。

 

・ハムスターテスト

自然妊娠には精子が自分の力で卵子

侵入できるかどうかが重要です。

ハムスターテストは加工した「ハムスター卵子」を用いて、

精子の受精能力を確認する検査です。

この検査で受精能力がない場合には

顕微授精の適用となります。

 

神戸ARTレディスクリニックでの男性不妊の実際と治療

 

政府の指定医療機関でもあり私の知る神戸ARTレディスクリニックには、

男性不妊の相談も多く寄せられてきたそうです。

その中で症例を大きく分けると、

ひとつは「精子がうまく作れない」タイプの男性不妊

ひとつは「精子が精巣から外に運ばれない」タイプの

男性不妊の2つなのだとか。

 

精子を作る能力がない場合には、

その原因に対する治療から始めなければなりません。

精子がなければ体外受精も顕微授精もできないからです。

 

ホルモン剤の投与で改善する問題ならば、

不妊治療の専門クリニックでも対応できるかと思います。

しかし、先天異常を始め、どうしようもないケースも

多々あることも。

 

精子が精巣から外に運ばれないタイプについては、

造精機能には問題ないわけですから、

精子の通り道に対する治療も可能ですし、

精子を取り出して体外受精や顕微授精を行うことも可能です。

 

  • ●●自分から不妊症検査を受ける男性は少ない●●●

 

これを読んでくださっているあなたが

女性で不妊症に悩んでいらっしゃるならば、

夫にどうやって検査を受けてもらおうか、

いまも考えておられるかもしれませんね。

 

不妊治療は夫の協力が成功の鍵です。

神戸ARTレディスクリニックの医師も言っていますが、

夫婦が足並みをそろえて不妊治療に取り組むことが肝要です。

 

「妻」だけが頑張っても「片手落ち」とのことです。

 

男性は「不妊症である」と言われると、

自分自身を否定されたように感じる傾向が強いようです。

女性にももちろんそういう部分はあるはずで、

私自身、男性だけが繊細であるかのように

取りざたされるのは理不尽に思います。

だけどそれでは男性のほとんどが動かないのです。

 

先達の声を参考にするならば、

妻が夫に不妊症検査を強要したところ、

翌日すぐに離婚届けを差し出されたというケース。

 

妻が夫に不妊症検査を受けるように頼んだら

家に帰ってこなくなったというケース。

 

夫が不妊症検査を受けて不妊症と診断されたところ、

夫が家族や親類、知人に妻が不妊症と

言いふらしたというケース。

 

妻が不妊治療を検討しはじめた段階で

夫が距離を置き始めたケース、などなど、

女性目線では「ただ男性がふがいないだけでは」

と言ってしまいたくなるような事例が

枚挙にいとまがないほどぞくぞくと出てきます。

 

女性が知っておくべきポイントがあるなと感じました。

 

・男性の傾向的に女性ほど子どもが欲しいと思わない

・男性は「子ども(未来)」ではなく「自分」を見てほしいと思っているのかも?

・基本的に不妊症検査を受けたがる男性はいない

 

女性からしてみれば、自分に異常がなければ男性不妊

なら夫が検査を受けるのは当たり前ですよね。

でも、男性にとってはこの時点で「違う」ようなのです。

 

夫婦が同じ方向を見て手を取り合って進むのは難しい、

だからこそ、女性が「大きな取り組み」に

挑む必要がありそうです。

母が子どもを導くように、男性にそれと気づかせないように

思考を誘導していく……

「言うは易く行うは難し」ですね。

しかし、不妊症検査を受けたがらず、

合理的な判断が難しい男性を不妊治療の入り口に

押し込むにはそれしかないのではないでしょうか。

 

 

不妊治療費助成はARTのみが対象?ARTとは?

高度生殖医療(ART)とは

2022年4月以降は変わるかもしれませんが、

2021年1月から現在までに施行されている

不妊治療費の助成制度では高度生殖医療(ART)のみが

対象とされています。

それは不妊治療全体を見渡してもARTの治療費が

極端に高かったためでもありますし、また、

ARTを用いた治療のみが「妊娠」を医学的に

コントロールするものとされていたためでもあります。

 

不妊治療の保険適用が開始すると、

治療内容によってはこれまでの3分の1程度の費用に

負担が減るといわれています。

価格の高さからあきらめていたご夫婦にも

新たな選択肢が出てくるわけです。

 

今回は不妊治療の基本情報から1歩進んで、

高度生殖医療(ART)についてレポートします。

なかなか子どもができず悩んでいらっしゃる方は、

『自分が受けるとしたらどうなのか』という視点でご覧ください。

 

日本の「高度生殖医療(ART)」

 

日本政府が認める高度生殖医療(ART)の範囲は

海外とはすこし異なっています。

まずは日本の「高度生殖医療(ART)」の範囲を確認しておきましょう。

 

  • 日本の「高度生殖医療(ART)」

卵子精子を身体のそとに取り出して、

人工的に受精を成立させること、

また、そうしてできた胚を再び女性の体内に移植して

妊娠を成立させること、これらを合わせて

「高度生殖医療(ART)」と呼びます。

1978年に世界で初めて体外受精IVF)と

胚移植(ET)による赤ちゃんが生まれ、

試験管ベビー」と呼ばれ話題になりました。

日本では政府の助成制度が適用される範囲は

配偶者間で行われるARTのみです。

具体的な治療法の名前は「体外受精IVF)」

「顕微授精(ICSI)」のふたつです。

一般不妊治療では卵子精子を1つ1つ管理するほどの

精度はありません。それだけに、

妊娠率は一般不妊治療と高度生殖医療(ART)で

大きく違います。

 

  • 海外ではもう少し選択肢が広い

日本国内では受けられない不妊治療法に、

代理出産」があります。

文字通り、配偶者の一方ではなく、

他人に妊娠してもらい、出産してもらう方法を指します。

妻がどうあっても妊娠できない事情がある場合に

有効な方法です。とはいえ、

世界でもこの手法に対しては疑問の声が多いようです。

精子卵子がそれぞれ配偶者以外のものである場合、

それは果たしてその夫婦の子どもと

言っていいのでしょうか?

海外では「命の危険を冒したくないから」

というだけで第三者に妊娠を依頼する「母」もいるようです。

病気などの理由からやむなく第三者卵子提供や精子提供、

妊娠委託を頼らざるを得ない人々からも、

健康体なのに代理出産を選択することは

弾劾の的となっています。

代理出産は絶望を希望に変える手段になり得ます。

ただ、代理出産の依頼には治療費だけでなく

出産を受託する女性の生活を保証する費用も必要ということ、

また、代理出産を受託する女性の大半が

生活困窮者ということ、

胎児が母体の影響を受けることなども

知っておくべきかと思います。

 

基本的な「生殖補助医療(ART)」の範囲について

本来、「ART」という言葉は

体外受精IVF)」

「顕微授精(ICSI)」

「子宮内胚移植(ET)」

「配偶子卵管内移植(GIFT)」

「配偶子と受精卵の凍結保存」

卵子と受精卵の提供」

代理出産

さらに、

「夫の精子や提供者(ドナー)の精子を用いた人工授精」

も含まれているそうです。

 

つまり、妊娠を補助する治療、

またそれを取り巻く提供者への委託行為など、

妊娠を成立させるために行われるすべてを

網羅する言葉だったのです。

 

「ART」を展開すると

「Assisted Reproductive Technology」、

頭文字だけをとって「ART」です。

 

日本では知らず知らずのうちに情報が

限定されていることがあります。

いまは携帯で検索するだけで分からないことを

調べられる時代です。でも、実はあなたも誰かが決めた

「タブー」によって情報を制限されていたり、

操作されていたりするのかもしれませんよ。

不妊治療の保険適用の内容

不妊治療の保険適用開始迫る!2022年4月に向けて知っておきたい変化の話

不妊に悩むカップル、ご夫婦のみなさま大注目の話題、

不妊治療の保険適用に向けて徐々に明らかになってきた

「気になるポイント」についてレポートしたいと思います。

保険適用開始は2022年4月の予定です。

これまで全額自費診療があたりまえだった不妊治療、

いったいどのように変わるのでしょうか?

 

  • POINT1

不妊治療にまつわるすべての医療行為が保険適用になるわけではない

2022年1月28日の報道で分かったのは、

政府が出した不妊治療の保険適用に関する案を

中央社会保険医療協議会が了承したこと、そして、

保険適用となる医療行為のなかに

着床前診断」が含まれていないことです。

また、年齢制限も定められました。

 

「治療を開始する時点で女性の年齢が43歳未満であること」

保険適用の範囲を拡大して先細りする

日本のカンフル剤にしたい政府の意図を

最大限に尊重した結果と言えるでしょう。

ただし、患者側である私個人は、

着床前診断についてもカバーしたほうがいいのかな、と思います。

 

  • POINT2

不妊治療の保険適用開始で助成制度の内容も変わる

2021年1月から特定不妊治療助成制度の受給要件が

緩和されて内容が手厚くなり、

申請件数がぐんと増えた結果、政府の支出も

予測の2.5倍になったそうです。

事前に組んだ予算が151億円だったのに対して

12月には370億円まで膨れ上がっており、

不妊症に悩む人口の増加を浮き彫りにしました。

とはいえ、現行の特定不妊治療助成制度は

不妊治療の保険適用開始までとなっています。

2022年4月からは助成制度の内容にもまた変更がありますので、

今後は助成金による歳出は減っていく見込みです。

2022年4月以降に特定不妊治療助成制度を利用したいと

希望していらっしゃる方は、変更内容をよく確認して

申請するようになさってください。

 

  • POINT3

保険適用で不妊治療の費用はどれくらい変わる?

治療の内容によっては保険適用開始で

費用が3分の1程度にまで抑えられると言われています。

不妊治療にともなう家計のマイナスは純粋な

支出だけではありません。それでも、

1回あたり30万円以上もかかる医療費の部分が

3分の1になるなら、

「私たちにも不妊治療を受けるチャンスがあるかも」

「諦めていたけど、私たち夫婦も子どもを望めるのかも」

と、不妊治療を現実的に計画できるようになる方々も

いらっしゃるはずです。

 

着床前診断」の取り扱いについては議論が続く

着床前診断は命の選別になるからよくない」

という政府や中央社会保険医療協議会の見解には

いくつもの矛盾があるように感じます。

着床前診断」は着床前に異常の有無を調べる検査です。

着床前診断が「命の選別」というのは、

卵子の段階でそれを命と捉えるという

意味になりますよね。この点に違和感があります。

そもそものはなし、着床前診断を「命の選別」

というならば、科学技術を用いて

治療しなければ子どもができない人口が

増えてきた人類そのものが、地球の歴史のなかから

淘汰される存在なのではないか、

という議論につながりはしないでしょうか?

 

着床前診断の穴埋めになるような方策を検討する、

という声も上がっています。

先進医療の保険適用拡充に向けて、さらに注目していきたいところです。

卵管閉塞でも自然に妊娠できる?

不妊症に悩む方がどんどん増えているいま、

レディスクリニックの掲示板や質問が

HP上に公開されており、いつも参考にしています。

私自身も気になった「卵管閉塞」と診断された

女性からの相談内容に興味をもちました。

 

・質問

両方の卵管が詰まっていると診断されました。

自然妊娠は無理ですか?

・医師の回答

卵管狭窄、卵管周囲癒着、卵管閉塞、卵管水腫などは

不妊の原因としてつねに注目されます。

卵管が狭くなっているだけでも妊娠が阻害されます。

両方の卵管が閉塞していると自然妊娠は不可能です。

卵管閉塞の原因を調べ、卵管形成術とともに

卵管閉塞の原因に対する治療をおすすめいたします。

 

卵管閉塞の原因は「命にかかわる病気」であるケースも!

 

不妊症は大半が原因不明であり、

具体的に何を改善すればいいとは

分からないケースがほとんどです。

日常生活になんの支障もなく、

自己認識としては健康なのにどうしても妊娠しない、

という不妊症が多いわけです。

ところが、卵管閉塞の時、その原因は

命にかかわる病気の場合があります。

 

  • 卵管閉塞の原因

性感染症

性感染症のなかでも特にクラミジア感染症

問題になっています。性交渉を通じて

クラミジア感染症は感染します。

子宮頸部から子宮内腔へ、子宮内腔から卵管へと

感染部位は次第に拡大してしまいます。

卵管にまで感染が広がると、

卵管内細胞の繊毛が破壊されます。

卵管内細胞は卵巣から排出された卵子

子宮内部に送り出す役割を担っていますので、

この段階で卵管要因による不妊症となります。

さらにクラミジア感染症が悪化すると、

今度は各所で炎症が起こり始めます。

これを放置すると、卵管、卵管采、果ては子宮や腸など、

腹腔内の広範囲に炎症が広がり、

癒着の原因になります。これをさらに

治療を受けないまま放置すると、

炎症が留まることを知らずに悪化し、

重篤な病気を引き起こす恐れもあります。

異性と性的な関係を持ったら定期的に

性感染症の検査を受けるようにしましょう。

 

・盲腸(急性虫垂炎

いわゆる盲腸では急激に炎症が起こります。

腹膜炎を併発して卵管閉塞や卵管、

卵巣、子宮、腸を巻き込んで

癒着してしまうなどの後遺症が残ることが

あります。

盲腸の経験者でなかなか妊娠できない方は、

この後遺症の有無をまず確認するべきです。

 

この要素に対しては、子宮卵管造影検査から始まり、

腹腔鏡検査、原因に対するアプローチ、

体外受精、顕微授精などが必要です。

卵管閉塞でも卵巣が無事であれば、

不妊治療によって妊娠は不可能ではなくなるのです。

とはいえ、単純に卵管が詰まっているだけで、

卵管鏡検査だけで自然妊娠できるようになる方も

少なくありません。まずはご自分の状態を

正しく把握すること、そこから始めてみては?

不妊治療の検査(特殊な検査)

体外受精に至る道~女性側の特殊検査

 

不妊治療は検査、治療と、内容がステップアップしていきます。

体外受精や顕微授精は卵子を採取する手術が必要だったり、

実施項目が多く費用が高額だったりと、

どうしても身体的、経済的負担が大きくなります。

医療の提供者からしても、患者にはなるべく

負担をかけたくないという想いがあり、

簡単な検査、侵襲性の低い治療から

徐々に進めていく手法を取っているのだそうです。

最初から「私には体外受精しかない!」と

覚悟してレディスクリニックを受診する

女性はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?

 

余談ですが、私が最初に受診したレディスクリニックで、

「あなたの場合はすぐにでもきちんと効果がある治療をしたほうがいい」

と言われました。

体外受精を勧められたわけですね。

これは年齢や状況から見て正しいアドバイスだったのです。

しかし私自身に知識がなく、認識が甘かったころなので

反発してしまいました。

今ではあの時の医師はむしろ誠実な方だったのだと思っています。

 

先月ご紹介したのは体外受精に至るまでに行う検査のうち、

女性が受ける一般的な検査でした。

https://shinwo.hatenablog.com/entry/2021/12/22/132820

 

今回は、女性が受ける検査のなかで特殊なものを

簡単に解説したいと思います。

 

体外受精に伴う検査はその先にあって、

いわば中間的な位置づけです。

この段階で問題が見つかった場合、その問題を解消するための

治療を行ってから体外受精という流れになります。

 

不妊治療の初期に行う女性側の特殊検査

・子宮鏡検査(ヒステロスコピー)

子宮に内視鏡を挿入して視覚的に

子宮内部を診断する検査です。

私の知っている神戸ARTレディスクリニックの

検査で使用する子宮鏡は端子が3mmという極細なので、

痛みをほとんど感じずにすむのだとか。

外来でも受けられます。

子宮内腔を観察して、形状の異常、子宮内腔癒着、

子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫の有無、

また、筋腫やポリープがあればその大きさなどを

判別できます。

検査で病変が見つかり、内視鏡での切除が可能であれば

そのまま手術にも移行可能です。

 

・腹腔鏡検査

へその下に小さな穴をあけ、腹腔膜のうちがわに

内視鏡を挿入し、内部をテレビモニターに映し出して

観察する検査です。

明らかに不妊症なのに原因が見つからない時、

子宮内膜症が疑われる時、卵管周囲の癒着が

疑われる時に行われます。

必要があればそのまま病変部を剥離、切除などの

手術に移行可能です。チョコレート嚢胞なども摘出できます。

 

・卵管鏡検査と卵管鏡下卵管形成術(FT)

卵管閉塞が疑われる時に行われる内視鏡検査です。

卵管内部に卵管鏡とカテーテルを挿入するので、

この検査によって卵管閉塞が解消し、

妊娠が成立するケースが少なくありません。

 

・糖負荷とインスリンの測定

代謝異常やインスリン抵抗性が

不妊の原因になることが分かっています。

糖負荷とインスリンの値を確認し、

異常があれば肥満や糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群

治療を受けましょう。

 

・自己免疫疾患、血液の凝固異常の検査

流産を繰り返すタイプの不妊症の方は

染色体異常の可能性があります。

ご夫婦いずれかに染色体の構造異常がある場合、

卵子が受精しても着床せず、流産してしまうのです。

神戸ARTレディスクリニックでは採血で行う

「染色体検査」をご夫婦に、顕微授精で移植する胚選別に

「PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)」もしくは

「PGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査)」もしくは

「PGT-M(着床前胚遺伝子検査)」

という検査を実施しているそうです。

 

 

以上、治療前に行う女性側の特殊検査でした。

染色体検査についてはご夫婦で一緒に受けてください!

「自分たちは健康だから遺伝子も問題ないのでは?」

と思うかもしれませんが、ご本人には問題なくても、

次世代に異常が顕在化するタイプの染色体構造異常

というものがあります。

染色体検査は健康な次世代にたすきをつなぐために

必要な検査なのです。流産経験があるご夫婦には

染色体検査の受診を推奨します。

 

子宮鏡検査では通常は閉じている子宮口を開いて

器具を挿入するため、身体に対するリスクが

多少なりとも発生します。

腹腔鏡検査、卵管鏡検査はさらに難しくなります。

信頼できる医療機関、信頼できる医師を選んで受診することが大切です。