血縁関係が濃いとダウン症の子どもは生まれやすい?
先日レディスクリニックの掲示板を見ていたら…
血族結婚とダウン症児の関係について気になったので
今回は、こちらの内容で考えていきたいと思います。
レディスクリニックにあった内容
- 質問
夫は血族結婚を繰り返してきた一族の出身です。
ダウン症の子どもが生まれるのではと心配になりました。大丈夫でしょうか?
- 医師の回答
ダウン症と血族結婚とは関係ありません。
女性の年齢が高くなるとダウン症の原因である
染色体異常の割合が上がり、ダウン症児が生まれやすくなります。
血族結婚はダウン症に関係なく、問題点は別のところにある
血族結婚では遺伝性疾患が親から子に
受け継がれやすいという問題があります。
遺伝性疾患の多くが劣性遺伝だからです。
今回のQ&Aのケースでは質問の女性とその夫に血縁がないため、
遺伝性疾患の心配はないだろうとのことでした。
医師が指摘したのは女性の年齢です。
女性の年齢が高くなると正常な卵子が減り、
染色体異常の卵子が増えます。
私の知る神戸ARTレディスクリニックには
こんなグラフもありました。
https://www.ivf.co.jp/?page_id=5834
「PGT-A(着床前診断:着床前染色体異常数性検査)」Q&Aより
図3 女性の年齢と染色体異(異数性)を持つ胚盤胞の割合
参考のグラフによると、治療の過程で得られた
胚盤胞のうち染色体異常の割合は、
35歳女性:約40%
38歳女性:約55%
41歳女性:約77%
44歳女性:約92%
47歳女性:100%
となっています。
男性の年齢も影響がないとは言えませんが、
女性の年齢の方がより深刻だということが
お分かりいただけたのではないでしょうか。
女性の年齢が上がると採卵できても妊娠に至らないケースが
ほとんどになってしまうわけです。
高齢出産に挑む女性は着床前診断を
日本では女性の出産適齢期はわずか15年程度。
成人になるのが20歳で、そこから就職して
仕事を頑張っていたら、35歳なんてあっという間です。
今回ピックアップの女性は34歳だったのですが、
ご本人は「まだまだ大丈夫」と思っていそうですよね。
その気持ちも分かります。私も似たようなものですもの。
不安を感じつつも果敢に挑む女性を私は心から応援します。
でも、せっかく妊娠しても子どもを育てきれない、
なんてことになったら後悔してもしきれません。
そこで、不妊治療で高齢出産に挑む女性は、
「着床前診断(着床前染色体異数性検査)」を
必ず受けることを私はおすすめします。
- 着床前診断(着床前染色体異数性検査)
体外受精(顕微授精)で得た受精卵(胚)の、
胎児以外の組織を採取して行う組織検査のこと。
「胚生検」とも言います。