男性の不妊検査、精子機能検査って?
男性の精液中の精子を調べる検査
妊娠適齢期の男女が、避妊せずに夫婦生活をもっていても
1年間妊娠が確認されないとき、その状態を不妊症と判断されます。
そして、その原因のおよそ半分は男性にあるのです。
男性側の不妊症は、精液検査で状態を調べるところが
治療のスタート地点となります。
私の知る神戸ARTレディスクリニックでは
「男性の精子の検査結果はその時の男性の精神的、肉体的状態によって大きく変わる」と指摘し、もし異常があってもそこであきらめないことが
大事だと呼び掛けています。
男性の「精液検査」で異常が見つからず、
女性にも特に悪いところがない、そういう時には、
さらに踏み込んだ内容の検査が必要になります。
より詳しい精液の検査である「精子機能検査」についてご紹介します。
精液検査以上に精密な検査、精子機能検査とは
通常の精液検査では、精液の全体的な所見や、
精液中の精子の量、精子の運動率、精子の正常率などに注目します。
精密検査にあたる「精子機能検査」で調べる内容は、
精子の生存性があるかどうか、
精子に自然妊娠できるだけの活動時間があるかどうかなどです。
この検査には主に4つの手法があります。
1つは「アクロビーズテスト」
1つは「精子膨化試験(HOST)」
1つは「精子生存試験」
1つは「ハムスターテスト」です。
今回は「アクロビーズテスト」について詳しく見ていきます。
精子機能検査の「アクロビーズテスト」について
アクロビーズテストは「精子先体反応検査」の一種です。
検査に用いる特殊なビーズがこの名前の由来です。
精子は丸い頭部に尾がついたおたまじゃくしのような
形態をしていますよね。
この頭部の先に「先体」と呼ばれる部位があります。
この酵素の反応を「先体反応」といいます。
アクロビーズテストでは先体反応が起きている精子と
結合する特殊なビーズを使用し、
先体反応の出現している程度を調べます。
この結果の数値を「アクロビーズ値」と呼び、
受精率を判定する指標として用います。
- アクロビーズ値が高いほど精子の受精率が高い
- アクロビーズ値が低いほど受精生涯の確率が高い
アクロビーズテストについてはこのように
覚えておいていただければ十分です。
患者側がすることは、通常の精液検査となんら変わりません。
アクロビーズテストと同様に、
精子の受精能力を調べる「精子機能検査」がもうひとつあります。
それが「ハムスターテスト」です。
別記事にてこちらの検査について解説する予定です。
よろしければそちらもお付き合いいただければと思います。
参考書籍;