30代からの妊活ブログ不妊治療を知る

30代の働きながらの妊活ブログ。神戸ARTレディスクリニックでの不妊検査済み。今のところは自然に…妊娠できればと

染色体構造異常の種類と着床前検査

流産や死産を繰り返す場合、

染色体構造異常の可能性があるそうです。

 

「PGT-A」「PGT-SR」はいずれも着床前診断の名称で

「PGT-A」は着床前遺伝子異数性検査のことで、

「PGT-SR」は着床前胚染色体構造異常検査のことです。

これらはいずれも保険適用になりません、自費診療の検査です。

 

でも、染色体構造異常を持つ方が妊娠、

出産を目指すなら、ぜひ知っておくべき検査だと

調べていて思いました。今日は…

染色体構造異常について調べたことを

記録しておこうと思います。

 

染色体構造異常とは

  • 染色体とは

染色体は、DNAがヒストンと呼ばれるたんぱく質に巻き付き、

折りたたまれた状態のものを言います。

普段、DNAはゆったりと細胞の中を漂っているのだそうです。

 

しかし、そのままでは細胞分裂の際に

バラバラになってしまいますよね。

細胞分裂の準備が整うと、2重螺旋を

描いていたヌクレオチド鎖の結合が外れます。

そして、細胞分裂が起こった時、古い細胞と新しい細胞、

それぞれに1本ずつのヌクレオチド鎖がある状態になるのです。

 

この1本のヌクレオチドを原型に、

複製のヌクレオチド鎖が合成され、

2重螺旋の構造を再現するわけです。

ヒトの場合、染色体の数は常染色体が22対44本、

性染色体が1対2本で正常です。

 

染色体構造異常が不妊症の原因に

染色体構造異常としては、

トリプルX症候群、クラインフェルター症候群、

ターナー症候群などが知られています。

本人は健康でありながら染色体転座を

持っている場合を転座保因者、その子に現れる疾患を

エマヌエル症候群と呼びます。

 

それぞれ簡単に解説していきます。

 

トリプルX症候群

性染色体は男性なら「XY」、

女性なら「XX」の組み合わせです。

ところが、Xが1つ多いケースがあり、

これをトリプルX症候群もしくはXトリソミーと言います。

出生女児1000人に1人に見られる

一般的な性染色体異常で、突出した

病的特徴を持ちません。

そのため判明が遅れるケースが少なくないようです。

学習障害、感情発達の遅れ、

将来的には不妊症の原因になったり、

死亡率を上げたりといったリスクがあります。

 

クラインフェルター症候群

男性の性染色体にXが1つ多い

「XXY」の状態をクラインフェルター症候群と言います。

 

トリプルX症候群が女性のみに生じるのに対し、

クラインフェルター症候群は

男性のみに現れる疾患です。

日本に約62000人の患者がいると推計されています。

 

クラインフェルター症候群の男性は、

四肢細長、思春期が来ない、

精巣委縮、無精子症が主症状で、

女性化乳房が認められる場合もあるとのことです。

クラインフェルター症候群による

不妊の治療法は今のところ分かっていません。

 

ターナー症候群

女性に起こる疾患で、

性染色体のXが1つ少ない状態を

ターナー症候群と言います。

染色体の総数が46本であるべきなのに、

1本分の情報量が欠損しているために

不具合が生じることがあります。

 

低身長、卵巣機能不全、「翼状頚」と

呼ばれる首から肩への皮膚のたるみ、

ひじから先の腕が外に反れる、

背中側の髪の毛の生え際が低い、

手足の甲がむくむといった身体的特徴も

ターナー症候群のサインです。

なお、ターナー症候群もクラインフェルター症候群と同じく、

合併症の恐れがあるので継続的な観察が欠かせませんし、

通常の不妊治療ではほぼ妊娠不可能とのことです。

参考:日本内分泌学会

 

・エマヌエル症候群と染色体転座

染色体転座は、染色体の総数には異常がなく、

染色体の一部がほかの染色体と

入れ替わっている状態を指します。

例えば、11番の染色体のうち1本が

22番の染色体の1本と入れ替わっている、

といった具合です。

染色体転座の特徴は、本人には身体的な

異常が出ることがほとんどなく、

それでいて妊娠しにくかったり、

流産を繰り返したりするところです。

 

11番と22番の染色体転座保因者から

生まれた子には47本の染色体が

認められる場合があり、

これをエマヌエル症候群と呼びます。

生まれつきの心臓疾患、口蓋裂、肛門や腎臓の奇形、

感染症を繰り返したり、

精神や運動機能の発達に問題が

生じやすかったりと、さまざまな問題が

出てくるおそれがあります。

参考:難病情報センター

 

私の以前通っていた神戸ARTレディスクリニックも

日本産科婦人科学会が公式に認めている

「PGT-A・SR承認実施施設」なのだそうです。

着床前診断は命の選別だということで

保険適用外になりました。

この理由、建前なんじゃないかなと

私は思ってしまいます。

皆様はどう思われますか?