東京都の不妊治療独自助成開始を読んで…
先月の注目ニュースだった東京都の不妊治療への
独自助成事業について、詳細が公開されました。
公開日は10月25日、9月に提示された基本方針に沿った
内容になっている様子です。
東京都特定不妊治療助成事業、詳細
・助成金額と回数
先進医療1回あたり上限15万円まで、
費用の10分の7までを助成、
回数については保険診療と同じく、
治療開始時点で妻の年齢が39歳までの夫婦は6回まで、
42歳までの夫婦は3回まで助成可能で、
回数のカウントは1子ごとにリセット可能
・助成対象となる治療の範囲
保険診療と合わせて実施した
「保険対象外の先進医療」が助成対象。
保険対象外の治療は患者の10割負担なので、
不妊治療における経済的負担の軽減を目的として施行されました。
ただし体外受精や顕微授精を全額自己負担で
実施した場合は助成対象外、一般不妊治療も
対象外となります。
保険診療と組み合わせる前提の制度というわけです。
・対象となる先進医療
10月25日時点で告示されている先進医療のリストです。
SEET法、タイムラプス、子宮内膜スクラッチ、
PICSI、ERA/ERPeak、子宮内細菌嚢検査(EMMA/ALICE)、
IMSI、二段階胚移植法、子宮内細菌嚢検査(子宮内フローラ検査)、
不妊症患者に対するタクロリムス投与療法
東京都に住民登録をしている夫婦(事実婚含む)のみが
東京都の支援を受けられます。
申請受付開始は令和5年1月の予定で、
申請に必要な書類や申請方法などは
12月上旬に公開予定とのことです。
東京都の動向については基本的にホームページが一番早いので、
気になる方はこまめにチェックしてみてください。
特定不妊治療費の独自助成がある地域
転換期のまっただなかにあるので、
情報がどんどん更新され、状況が定まりません。
そのせいなのか、県独自助成制度や
市区町村独自助成制度を完全網羅した資料が
どうにも見つからない状況です。
小出しになって申し訳なくはあるのですが、
仕方ないのでひとつひとつ調べて見つけた
情報をご紹介していきたいと思います。
- 福島県相馬市
不育治療の費用まで助成されるところが特徴です。
さらに、ホームページを見る限りでは
妻の年齢が43歳以上でも助成を受けられそうです。
- 大分県、千葉県、埼玉県は経過措置を実施
大分県のホームページをのぞいてみたところ、
公開されたのは今年の7月26日、
東京都よりだいぶ動きが速かったようです。
令和4年度に限り経過措置が設けられていて、
年度をまたぐ治療1回のみ、令和4年度に限って
経過措置として助成を実施するそうです。
……来年はもうだめってことですよね?
助成条件は、特定不妊治療以外に妊娠の見込みがないこと、
治療開始時点で妻の年齢が43歳未満の夫婦で、
なおかつ大分県在住であること。
助成制度が適用になるとのことです。
大分県のほかには千葉県、埼玉県も同様に、
従来の助成事業を終了し経過措置を行うとのことでした。
東京都と南相馬市がニュースになったのは
経過措置ではなく、少なくとも来年度も続ける雰囲気を
出しているからかなという感じがしました。
保険事業もまだまだ万全じゃないので、
県や市区町村はもうちょっと市民獲得の意欲を
見せてほしいところです。