体外受精の障りになる病気1・B型肝炎
「B型肝炎」についてレポートしたいと思います。
そもそも「B型肝炎」とはどのような病気なのでしょうか?
不妊治療に影響はあるのでしょうか?
「B型肝炎」という病気について
状態の総称です。日本国内に110万人から140万人の
持続感染者がいるとされていて、
その中心が、昭和23年から昭和63年までの間に
集団予防接種を受けた世代です。
当時の日本は衛生観念が未熟だったため、
注射針の使いまわしなどが平気で行われていたのです。
非常に感染力が強く、注射針の使いまわしで
感染が急速に拡大したというわけです。
感染ルートはほかにもあります。
集団予防接種でB型肝炎のキャリアになった母からの
母子感染、家族との皮膚接触による感染、
ウィルスに汚染された血液の輸血による感染などが
考えられます。
「B型肝炎」の症状について
「B型肝炎」という病気の症状は、
急性症状と慢性症状に分かれます。まずは急性症状から見てみましょう。
- 急性B型肝炎の症状
急性B型肝炎の場合、ウィルスの潜伏期間は
1ヶ月から6ヶ月ほどです。
感染から潜伏期間を経て様々な症状が出てきます。
全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸など。
悪心は『今にも吐きそう!』というむかつきのことです。
黄疸は目の白目や皮膚が黄色く変色することです。
軽症の場合は数週間のうちに
自然回復することもあるようですが、劇症化した場合は
激しい炎症によって肝臓の機能が破壊され、
肝不全となります。命の危険が伴います。
- 慢性B型肝炎の場合
慢性B型肝炎は、主に母子感染で発生します。
ウィルスは持続感染状態になり、ウィルスを常に
保有したままになります。
免疫系が発達するとウィルスを異物と認識できるようになり、
排除しようと働き始めるのですが、
免疫系の攻撃によって肝細胞が破壊されて炎症が生じます。
母子感染の8割以上がこの時期に肝炎がおさまり、
肝機能が安定します。
ただし、残りの1割から2割は肝炎の状態が続く
「慢性肝炎」に移行します。
破壊と再生を繰り返す肝臓の細胞はやがて繊維化し、
ひどくなると肝硬変になったり、肝細胞がんになったりします。
B型肝炎ウィルス(HBV)のキャリアでも妊娠はできる
不妊治療の障りになるかという話です。
出産だってできます。
しかし、何の対策もなくHBVキャリアの女性が出産すると、
95%の確率で母子感染が起こるのです。
もし母が無自覚のキャリアで、生まれた子どもが
B型肝炎に対して何の備えもしなかったら、
いつの間にか子どもの肝機能が破壊されている、
という事態に直面する可能性があります。
そのため、不妊治療を希望される女性には
B型肝炎の検査が必要なのです。
私の知る神戸ARTレディスクリニックではというと
初診の際に問診、内診、超音波検査、血液検査を実施しています。
基本的にはこの時の血液検査はホルモンが対象の
3項目となっているそうですが、
B型肝炎の検査を受けたことがない点を申告すれば
検査対象の項目を増やせるはずです。
B型肝炎の検査は血液検査でHBs抗原の有無を調べるだけです。
集団予防接種を受けた方、集団予防接種を受けた方を
親に持つ方は、まずは医師に相談してみるのもいいかもしれません。